桜堤駅

桜堤駅について

桜堤駅（さくらづつみえき）は、かつて東京都小平市に存在していた西武鉄道多摩湖線の駅でした。この駅は、上水本町4丁目に位置しており、国分寺と一橋大学（現：一橋学園）を結ぶ路線の一部として開業しました。

駅の設立その背景

桜堤駅は、当初玉川上水の北側に設置されていましたが、その後、近隣の小平学園都市に東京商科大学予科が移転してきたため、通学の利便性を考慮して駅が移設されました。新設された商大予科前駅（後の一橋大学駅）との距離があまりにも近かったため、駅は200メートル南に移動し、玉川上水の南側の桜並木の中に位置することになりました。

桜並木は特に「小金井桜」と呼ばれ、春には多くの観光客が訪れるスポットとしても知られていました。当駅は「電車を降りなくても花見が出来ます」というキャッチフレーズを掲げ、観光地としての役割を果たしていました。

特異なイベント

多摩湖線の前身である多摩湖鉄道は、当初、乗客の減少に悩まされていました。そこで、桜堤駅近くの広場で映画会を開催し、「列車の乗客のみ入場無料、それ以外は5銭」のルールで運営しました。この取り組みが成功を収め、意外にも国分寺駅から徒歩でやってきた子供たちが列車に乗るために訪れるという珍しい現象も見られました。

廃駅とその後

桜堤駅は、1945年の戦争末期に休止となり、そのまま廃駅に至りました。駅の近くには当時多くの駅が存在しており、戦災の影響や観光地としての特性から、再開発も含めた措置が取られた結果、駅は復活しませんでした。

駅自体の歴史は短命で、1928年の開業からわずか26年後の1953年には廃駅となります。歴史的な背景を考えると、桜堤駅は地域で特有の役割を担っていましたが、時代の変遷に伴い必要性が失われてしまったと言えるでしょう。

壇上の緑道

現在、桜堤駅の跡地は整備されており、玉川上水沿いの緑道として生まれ変わっていますかつての駅の名残はどこにも見当たらず、便利な通行路と自然が融合した空間が広がる場所となっています。また、駅跡の近くには西武バスの「桜堤」バス停が設置されており、交通アクセスの一部として利用されています。

今持っている駅の認知度は低いかもしれませんが、桜堤駅の名は地域の歴史に刻まれており、地域のシンボルとしての役割を果たしていた証と言えるでしょう。この駅が存続していたならば、どのような歴史を刻んでいたのか、考えるだけでも興味深いものがあります。

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