桜色の春をこえて

『桜色の春をこえて』は、直井章によって執筆され、ふゆの春秋がイラストを担当したライトノベル作品。2011年に電撃文庫（アスキー・メディアワークス）から刊行されました。

あらすじ

物語の主人公は、真世杏花（まなせ きょうか）。幼い頃に両親が離婚し、母親に引き取られますが、中学3年生の時に母親が恋人と失踪してしまい、天涯孤独の身となってしまいます。

高校進学を機に、杏花は東北地方の小さな町で一人暮らしを始めることを決意します。しかし、不動産屋の手違いにより、契約していた新居から立ち退きを余儀なくされてしまいます。途方に暮れる杏花に手を差し伸べたのは、隣室に住む少女、澄多有住（すみた ありす）でした。学校では「不良」と噂される有住ですが、成り行きから杏花は彼女の部屋に同居することになり、新たな生活が幕を開けます。

登場人物

真世杏花（まなせ きょうか）
本作の主人公。幼少期に両親が離婚し、母親も失踪したため、一人で生きていくことになります。叔父の援助を受け、東北の町で高校生活をスタートさせますが、住居トラブルに見舞われます。家事が得意で、叔父から譲られた調理道具を大切にしています。

澄多有住（すみた ありす）
杏花の隣室に住む少女。学校では不良として知られています。過去の経験から一年留年しており、杏花より一つ年上です。住む場所を失った杏花に同居を提案します。父親が失踪し、母親から虐待を受けていた過去を持ちます。

切妻緑（きりつま みどり）
杏花のクラスメイト。体験入学の時から杏花と親しくなります。「キリちゃん」と呼ばれています。幼なじみの砂森歴と交際しており、後に吹奏楽部に入部します。

砂森歴（すなもり わたる）
緑の幼なじみで恋人。野球部に所属しています。

館下希（たてした のぞみ）
有住のクラスメイトで、2年生。有住のことを気にかけています。

大和田利恵（やまとだ りえ）
本来301号室に住む住人。隣室の杏花とよく話すようになります。実はバツイチです。

千恵（ちえ）
利恵の娘で、幼稚園に通っています。

真世真弓（まなせ まゆみ）
杏花の母親。夫と離婚後、化粧品の訪問販売員として働いていましたが、恋人と失踪してしまいます。

* 柏崎（かしわざき）
生活指導の教師。厳格な性格で、有住からは「ガンジー」というあだ名で呼ばれています。

『桜色の春をこえて』は、孤独を抱えた少女たちが、出会いを通して互いを支え合い、成長していく姿を描いた物語です。地方の小さな町を舞台に、温かい人間関係や、それぞれの過去と向き合う姿が丁寧に描かれています。

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