梅本勝

梅本 勝

日本のラグビー指導者として知られる梅本勝（うめもと まさる）は、1963年3月5日に広島県尾道市で生まれました。現在は倉敷高校ラグビー部の監督を務めています。複数校を短期間で全国高校ラグビーフットボール大会（通称：花園）に導いた手腕は、高校ラグビー界で高く評価されています。

経歴

梅本氏がラグビーというスポーツに出会ったのは高校時代でした。地元広島県の尾道商業高校で楕円球を追い始め、卒業後は大阪体育大学に進学してさらにラグビーに打ち込みました。大学卒業後、社会人としてマツダで勤務した経験も持ちます。

指導者としての歩み

社会人経験を経て、梅本氏はラグビー指導者の道へ進みます。そのキャリアは、新たなチームの立ち上げと強化という挑戦の連続でした。

江の川高校（現：石見智翠館高校）時代

1990年、梅本氏は島根県にある江の川高校（現在の石見智翠館高校）に新設されたラグビー部の初代監督に就任します。ゼロからチームを作るにあたり、彼は積極的な強化策を打ち出しました。特に、関西など他地域からラグビー経験のある中学生を呼び寄せる「国内留学」という手法は、当時の高校ラグビー界では珍しい試みでした。この取り組みが功を奏し、就任わずか2年目となる1991年度には、チームを初めて花園の舞台へと導きます。これを機に江の川高校は島根県内で揺るぎない常勝校としての地位を確立し、全国の強豪校と渡り合えるレベルにまで成長を遂げました。

尾道高校時代

2001年、梅本氏は自身の故郷である広島県尾道市に設立された尾道高校のラグビー部初代監督として招聘されます。地元に根差したチーム作りを目指し、再びゼロからのスタートを切りました。その指導力はここでも遺憾なく発揮され、創部からわずか3年目となる2004年度には、早くも花園初出場を果たします。その後も尾道高校は全国大会の常連校となり、2014年度の第94回大会では、チーム史上最高となる準決勝進出という快挙を成し遂げました。故郷のチームを全国トップレベルに押し上げたことは、彼にとって特別な実績の一つと言えるでしょう。

倉敷高校時代

2019年、梅本氏は指導者として3校目となる新たな挑戦の場を岡山県に見出します。倉敷高校に新設されたラグビー部の初代監督に就任したのです。ここでもまた、彼は経験豊富な手腕を活かし、短期間でのチーム強化に取り組みました。そして、就任からわずか3年目となる2021年度の第101回大会において、倉敷高校を初めて花園の舞台に導きました。

まとめ

梅本勝氏の指導者としてのキャリアは、三つの異なる地域で、それぞれ新しいチームを立ち上げ、いずれも創部（または就任）から数年という短期間で全国大会出場という目標を達成してきた点に集約されます。この育成手腕と成果は、高校ラグビー界において非常に珍しく、彼の指導者としての能力の高さを証明しています。現在も倉敷高校で、新たな歴史を築くための指導を続けています。

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