梅津宏治

第53代日本フェザー級王者として知られる元プロボクサー、梅津 宏治は1976年9月29日生まれ。ワタナベボクシングジムに所属した。千葉県立鎌ケ谷高等学校から日本大学理工学部へと進学。高校時代はラグビーに打ち込み、ボクシングを始めたのは大学入学後と、プロ競技開始としては比較的遅い部類に入る。大学卒業後、玩具メーカーに勤めたが、ボクシングに専念するため退職し、プロの道へ進んだ。

プロキャリアは2000年11月22日、新松戸高橋ボクシングジムから始まり、デビュー戦をKO勝利で飾った。しかし、プロ3戦目での初黒星後、3連敗を喫するなど苦しい時期も経験。その後3連勝で立て直すも、2003年11月12日の試合で怪我によるTKO負けを喫し、これを機にワタナベボクシングジムへ移籍した。

ワタナベジムに移籍後、梅津はフェザー級に転向。階級変更後も順調に勝ち星を重ね、2004年10月13日には日本ランク9位の寒河江和也を相手に激しい打撃戦の末、7回TKO勝利を収め、ランキングを上げた。2005年9月22日には日本フェザー級王者、榎 洋之に初挑戦するが、10回判定で敗れ、王座獲得はならなかった。

しかし、梅津は諦めなかった。2006年10月14日、当時の王者である渡邉 一久に挑み、10回判定勝利で見事、第53代日本フェザー級王座を獲得。プロとして頂点を極めた。だが、その王座は長くは保持できなかった。2007年3月3日、初防衛戦で挑戦者・粟生 隆寛に10回判定で敗れ、王座から陥落した。

王座陥落後も再び日本タイトルを目指し続けた梅津は、2008年の日本タイトル挑戦権獲得トーナメントに出場。準決勝、決勝と勝ち上がり、過去に引き分けた高山 和徳との再戦を制して、王者松田 直樹への挑戦権を獲得した。2009年2月21日、王者・松田に挑むも判定引き分けとなり、王座返り咲きはならず。同年11月7日の再挑戦でも判定で敗れた。さらに、2010年には空位となった日本フェザー級王座を懸け元OPBF王者・細野 悟と対戦、2011年には岡田 誠一が持つスーパーフェザー級王座にも挑戦したが、いずれも判定負けに終わり、日本王座への返り咲きや2階級制覇は実現しなかった。

2015年10月12日の林 翔太戦を最後に現役を引退した梅津は、ボクシングトレーナーの道に進んだ。2016年12月からは女子世界王者・宮尾 綾香の指導を担当。そして、2023年6月3日、自身のプロ出発の地である松戸市に「Fitness Boxing Gym RPG」をオープンすることを発表すると同時に、指導してきた宮尾 綾香との結婚も公表し、新たな人生の節目を迎えた。

梅津はアニメ「機動戦士ガンダム」の熱狂的なファンとしても知られ、試合の入場曲には同アニメの楽曲を使用した。そのコレクションがテレビで取り上げられたこともある。獲得タイトルは、第53代日本フェザー級王座（防衛回数0）である。

もう一度検索