梅津教知

梅津教知（うめづ のりとも）

梅津教知（1839年 - 1892年）は、幕末から明治にかけての神道家、神官であり、女子教育の推進者として知られています。55歳で没しました。

生涯

梅津教知は、神道学者の井上頼囶と交流があったことが、井上の蔵書に残された書簡から窺えます。

平田篤胤への入門と神官としての活動

1868年、梅津教知は奥山正胤の紹介で平田篤胤に入門し、平田門人となりました。その後、静岡県三嶋大社の主典を務めました。

1873年には、札幌神社（現在の北海道神宮）の初代宮司に任命されました。同年、大教院に「北海道教法見込」という意見書を提出し、神仏合同による教化を提案しました。また、女性のための教育に関する考察「女教考案」を著しました。

しかし、札幌神社宮司はわずか5ヶ月で退職し、その後は金華山黄金山神社の祠官を務めました。

女子教育への貢献

1879年、梅津教知は私邸に私立仙台女紅場を開設し、妻の奥山照子と共に女子教育に尽力しました。女紅場では、裁縫などの実用的な技能を教え、女性の自立を支援しました。女紅場の運営には、弟の梅津貞範も関わりました。

梅津教知の邸宅跡には、後に仙台女子実業学校、そして仙台市高等女学校（現在の宮城県宮城第一高等学校）が開校し、彼の女子教育への熱意が受け継がれています。

墓所

梅津教知の墓所は、仙台市青葉区の東昌寺にあります。墓所内には、義弟であり札幌神社の権宮司を務めた小幡虎信の墓もあります。

思想と活動

梅津教知は、神道家として、また教育者として、多岐にわたる活動を行いました。特に、女子教育の重要性を早くから認識し、その普及に尽力したことは、特筆に値します。

北海道における教導活動

梅津教知が提出した「北海道教法見込」は、北海道における教導活動の指針となるものでした。彼は、札幌神社を拠点とした教化活動を提唱し、地域住民への神道普及を目指しました。

女性のための教育「女教考案」

「女教考案」において、梅津教知は、従来の女性教育のあり方を批判し、女性が自立し、社会に貢献するための教育の必要性を訴えました。彼は、読書、習字、裁縫などの技能に加え、道徳教育や礼儀作法を重視し、女性の総合的な能力の向上を目指しました。

神拝祝詞

梅津教知が著した「神拝祝詞」は、神道における祝詞の新たな形を提示したものでした。この祝詞は、特定の神社の祭神を拝むのではなく、広く神々を敬い、神徳を称えるものであり、神道の本質を追求する彼の姿勢が表れています。

著書

公余秘抄
恐惶録（1870年）

系譜

父：梅津教篤（仙台藩士）
母：吉田九左ェ門景治妹
* 妻：梅津照子（奥山正胤女）

梅津教知は、激動の時代に、神道家、教育者として、日本の近代化に貢献した人物です。彼の思想と活動は、現代においても学ぶべき点が多くあります。

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