棒地雷

棒地雷の概要とその構造

棒地雷は、第二次世界大戦の日本軍によって使用された重要な地雷の一つです。この地雷は、館山海軍砲術学校で作成された『陸戦兵器要目表』において、全長が1000mm、全高が43mm、全幅が83mmであると記録されています。そして、重量は4.43kgで、主に下瀬火薬2.8kgが使用されています。特筆すべきは、この地雷が信管の作動方法として踏発式を採用している点で、戦車への接近攻撃や埋設して履帯を切断するために使用されていました。

構造の詳細

アメリカ軍の資料『Japanese Tank and Antitank Warfare』によれば、棒地雷は特有の構造を持っており、弾体は楕円柱状で形成され、長方形の圧延鋼板が二つ折りにされて継ぎ目を溶接しています。この管の両端には、取り外し可能な鋼製キャップが付いており、片方には安全ワイヤー用の穴があり、ワイヤーを固定するスプリングクリップも装備されています。

炸薬部分については、ピクリン酸を用いた8等分の特別なブロックで構成されており、これらは弾体の横断面に合わせて円筒形状に作られています。炸薬ブロックは、弾体内部の信管と感圧板用のスペースを確保するために、一方の側が平坦にされています。また、各ブロックには直径約1インチの半円形くぼみが設けられており、これによりペア4個のブロックの間に信管が配置可能となっています。

信管とその作動メカニズム

棒地雷の信管は、主に耐錆鋼で作られており、包括的な機械式作動を行う単一構造です。信管は短いシリンダーの形をしており、内部にはリリースプランジャーが収められています。また、両端には規定のねじ穴があり、一方にはストライカー構造、もう一方にはプライマー構造と雷管が取り付けられています。区別のため、プライマーホルダー底面には赤い塗料で識別されています。

これらの部品が相互に作用し、もし弾体に十分な圧力が加えられると、信管の頭部が押し下げられ、銅製の剪断ワイヤーが断ち切られることで、ストライカーが解放され、結果的に撃針が雷管を叩き、炸薬が爆発に至ります。

地雷の解除手順

地雷の解除には慎重な手順が求められ、まず処理防止装置を解除し、その後、端部キャップを外して信管が見える状態にします。そして、炸薬ブロックを注意深く外していき、安全ワイヤーの穴に釘を通す必要があります。この手順は、地雷内部の全ての信管に対して実施しなければならず、大変な注意が必要です。

諸元

地雷に関するデータは以下の通りです:

• - 全長: 91cm
• - 横断面: 楕円状
• - 全高: 4.5cm
• - 全幅: 8.5cm
• - 弾体重量: 2.1kg
• - 炸薬重量: 2.7kg
• - 全重: 4.8kg
• - 炸薬ブロック寸法: 11×8×3cm
• - 作動荷重: 152.4kg

このように棒地雷は構造と作動メカニズム、そして解除手順に至るまで非常に詳細で緻密な設計がなされています。戦争における役割を理解するためには、これらの要素を把握することが重要です。

もう一度検索