森を駈ける恋人たち

森を駈ける恋人たち

「森を駈ける恋人たち」（もりをかけるこいびとたち）は、歌手・麻丘めぐみが1973年4月30日にリリースした、通算4枚目にあたるシングルレコードです。

このシングルは、作詞家・山上路夫が麻丘めぐみの楽曲に初めて詞を提供した記念すべき作品として知られています。麻丘めぐみの持つ清純で可憐なイメージに寄り添う山上路夫の詞と、当時の歌謡界でヒットメーカーとして絶大な人気を誇っていた作曲家・編曲家、筒美京平によるメロディーとアレンジが見事に融合した楽曲です。

収録曲

このシングルには、タイトル曲を含む二つの楽曲が収録されています。どちらの楽曲も作詞は山上路夫が手がけています。

1. 森を駈ける恋人たち
作詞：山上路夫
作曲・編曲：筒美京平
A面として収録されたタイトル曲です。爽やかながらも叙情的な旋律が特徴で、若々しい恋の情景が目に浮かぶような歌詞が印象的です。

2. そよ風のテラス
作詞：山上路夫
作曲・編曲：高田弘
シングルのB面に収録された楽曲です。A面とは異なる雰囲気を持っていますが、こちらも山上路夫による抒情的な詞の世界観が展開されています。編曲は高田弘が担当しました。

収録作品

「森を駈ける恋人たち」は、その後の麻丘めぐみのキャリアを振り返る上で重要な楽曲の一つと位置づけられており、複数の主要なアルバムやベスト盤に収録されています。代表的なものとしては、彼女のデビュー初期からの活動を網羅したボックスセット『麻丘めぐみBOX 72-77』や、彼女のヒット曲を集めたコンピレーションアルバム『GOLDEN☆BEST 麻丘めぐみ』などに収められており、現在でも比較的容易に聴く機会があります。

カバー

この楽曲は、麻丘めぐみ本人の歌唱だけでなく、同時代の他の人気アイドル歌手たちにもカバーされたことでも知られています。当時の歌謡界において、人気歌手の楽曲が他の歌手によってカバーされることは珍しくありませんでしたが、「森を駈ける恋人たち」もまた、その魅力が他のアーティストにも認められた証と言えるでしょう。

特に、当時麻丘めぐみと共に「三人娘」などと呼ばれ人気を博した森昌子と桜田淳子が、それぞれ自身のアルバムでこの曲をカバーしています。

森昌子：1973年にリリースされたスタジオアルバム『白樺日記～マコ初恋へのあこがれ』（1973年10月1日発売、徳間ジャパン）に収録されています。
桜田淳子：1974年にリリースされたスタジオアルバム『三色すみれ』（1974年3月25日発売、ビクター音楽産業）に収録されています。

異なる個性の二人がそれぞれどのようにこの曲を表現したのか、聴き比べるのも興味深い点です。

時代背景

本楽曲が発表された1973年は、日本の歌謡界、特にアイドル歌謡が隆盛を極めていた時代です。麻丘めぐみ自身もこの時期にトップアイドルの一人として活躍しており、「森を駈ける恋人たち」は、そんな時代の空気感を反映した、青春の輝きや初々しい恋心をテーマにした楽曲として、多くの人々の共感を呼びました。山上路夫と筒美京平という当時の歌謡曲界を牽引した二人の巨匠が生み出したこの一曲は、発表から時を経ても色褪せない魅力を保ち続けています。

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