森下雄一郎

森下雄一郎氏：バスケットボールから人道支援活動家へ

森下雄一郎氏は、1977年兵庫県生まれ。18歳で単身渡米し、ストリートバスケットボールから大学リーグ、プロマイナーリーグを経て、日本人初のNBDLドラフト指名を受けました。NBAへの挑戦は叶いませんでしたが、その経験は、後の活動に大きな影響を与えています。メディアにも取り上げられ、注目を集めた彼のバスケットボール人生は、2009年の引退をもって幕を閉じました。

活動家としての歩み：SENDto2050 PROJECT

現役時代から講演活動などを行っていた森下氏は、2009年にバスケットボール選手を引退した後、SENDto2050 PROJECTを設立しました。このプロジェクトは、2050年までに持続可能な社会を実現することを目指し、世界各地で人道支援活動に携わっています。

彼の活動は、発展途上国における水や食料、教育支援にとどまりません。紛争地や災害地においても、必要とされる人々へ手を差し伸べています。活動の拠点は、アフリカ、ウクライナ、ミャンマー、ガザ、シリア、リビア、アフガニスタン、台湾、ニューギニア島、そして日本国内と多岐に渡ります。

世界各地での人道支援

森下氏の支援活動の特徴は、単なる物資提供に留まらない点にあります。彼は現地に赴き、住民の声に耳を傾け、彼らのニーズに基づいた支援を行うことを重視しています。異なる文化や背景を持つ人々との対話を通して相互理解を深め、信頼関係を構築することに重きを置いています。

主な支援活動地域と内容

アフリカ大陸: 25か国以上で人道支援を実施。紛争地で対立する部族への救援や、国際NGOの支援が届かない地域での生活環境改善を支援しています。
ウクライナ: ロシア軍侵攻直後から現地に入り、避難民やウクライナ側への支援活動を行っています。
ミャンマー: 内戦で支援が届かない地域への食糧支援。
ガザ: イスラエル侵攻直後の避難民への支援物資提供。
シリア: シリア大地震後、政治的制約により支援が届かなかった地域への救援活動。
リビア: 国家分裂による紛争の中で、洪水被害を受けた地域への支援。
アフガニスタン: パキスタン大洪水の際、支援が届かなかったアフガニスタン人集落への救援活動。
台湾: 台湾東部地震で孤立した集落への緊急救援。
ニューギニア島: 部族間紛争で苦しむ人々への救援活動。
日本: 能登半島地震での飲料水支援など、国内災害支援にも携わっています。

水路掘削プロジェクト

森下氏は、毎年アフリカなどの最貧困地域で水路掘削活動を行っています。安全な飲料水の確保を生命維持の最重要課題と捉え、子どもたちが安全な水を得られる環境づくりを目指しています。この活動は、メディアの注目を集めにくい、国際的な支援が届きにくい地域を対象としています。

広島・長崎での平和活動

広島と長崎で被爆者から直接聞いた証言や、原爆資料館から譲り受けた資料を用いて、世界各国に平和のメッセージを伝えています。学校や地域コミュニティを訪問し、被爆者の平和への思いを紹介する活動や、若者との意見交換を通して平和への理解を深める活動を行っています。

2020年度には公益財団法人ヒロシマ平和創造基金から国際交流奨励賞を受賞、2021年には長崎市から長崎平和特派員に認定されるなど、その功績は高く評価されています。

森下雄一郎氏の活動は、バスケットボール選手としての経験から培われた精神力と、人道への深い思いが根底にあります。彼の活動は、未来への希望の光となるでしょう。

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