森山遺跡

森山遺跡

森山遺跡は、京都府城陽市富野森山に位置し、縄文時代、弥生時代、古墳時代の複合遺跡として知られています。木津川を臨む台地上にあり、その歴史的価値から国の史跡に指定されています。

遺跡の概要

この遺跡は、縄文時代後期中頃の集落跡が中心であり、弥生時代と古墳時代の遺構や遺物も発見されています。縄文時代の住居跡としては、直径約10メートルの円形竪穴建物跡をはじめ、直径6〜10メートルの竪穴建物跡が5つ確認されています。これらの竪穴建物の床面には、地床炉が設けられていました。

建物跡の周囲には、用途不明の土壙が多数存在しますが、南西部には少なく、集落の広場として利用されていたと考えられています。また、南側の縁には拳大の礫を集めた配石遺構が発見されており、墓跡である可能性があります。

出土品

縄文時代の遺物としては、後期中頃から後半にかけての元住吉山式から宮滝式に属する土器、石鏃170、敲石55、磨石4、石棒4などが発掘されています。特にサヌカイトの剥片が大量に出土しており、この地で石器製作が盛んに行われていたことが伺えます。近畿地方においては、縄文時代の集落跡が少ない中で、森山遺跡は豊富な遺物を有する重要な遺跡として位置づけられています。

弥生時代の遺構としては、竪穴建物跡2、甕棺1が、古墳時代の遺構としては、竪穴建物跡12、甕棺1などが確認されています。特筆すべきは、古墳時代初頭に築かれた東西40メートル、南北32メートルの方形台状の盛土遺構で、周囲には幅4メートル、深さ1.5メートルの溝が巡らされています。この方形台状の上縁や斜面、溝底にはピットが設けられており、杭列のような施設が存在した可能性があります。

周溝の西南隅からは、古式土師器（布留式）の高坏や小形丸底土器が集中して出土しており、葬送儀礼など特殊な用途で使用されたとする説があり、今後の研究が期待されています。

文化財指定

1978年（昭和53年）2月8日、森山遺跡は国の史跡として指定されました。

森山遺跡は、縄文時代から古墳時代にかけての複合遺跡であり、各時代の生活や文化を知る上で重要な情報を提供してくれます。今後の発掘調査や研究によって、新たな発見があるかもしれません。

もう一度検索