森川久美

森川久美：少女漫画の巨星

プロフィール

森川久美（もりかわ くみ）は、石川県金沢市に住む著名な少女漫画家です。彼女は、同人誌時代には山田茉莉という名前でも活動しており、東京女子大学の漫画研究会で同人誌『やっはるーっ』に作品を掲載しました。彼女の作品には、特に元宝塚歌劇団の星組トップスターである紫苑ゆうへの憧れが強く影響を与えているとされています。

経歴と作品

森川は1976年に白泉社の「花とゆめ」で短編『特別休暇』でデビューを果たしました。その後、歴史をテーマにした作品を多く手がけ、特にシェークスピアの『十二夜』や復讐劇を題材とした『シメール』が代表作として知られています。また、ヴェネツィアを舞台にした歴史コメディ「ヴァレンチーノ・シリーズ」は非常に人気があります。主人公のヴァレンチーノ（ヴァレンチーナ）は、女性でありながら男装し、元首として活躍するキャラクターです。

1981年から1983年にかけて連載された中編『南京路に花吹雪』は、日中戦争をテーマにした作品で、シリアスな内容が特徴です。本作には、黄子満というキャラクターの話を描いたスピンオフ『花は辺りに雨と降り』なども存在します。

その後も、森川は様々な時代背景を持つ作品を発表。特に香港を舞台にした『セルロイドドリーミング』や、フランス世紀末の物語『アルカディアの道』、イスタンブールを舞台にした『イスタンブル物語』など、多彩な歴史背景を探索しました。

彼女は白泉社から角川書店の「月刊Asuka」に移籍し、その後『イスタンブル物語』がコミックスとして刊行される予定でしたが、途中で未完に終わることとなりました。この移籍に伴い、未完となった『アルカディアの道』は1巻のみの刊行で終了しました。

移籍後も森川は精力的に活動を続け、角川書店から全集の発行があったり、新たに『南京路に花吹雪』の続編『Shanghai 1945』を小学館の「プチフラワー」で連載したりしました。また、1988年には秋田書店から19世紀のイタリア併合を題材にした短編『法王庁の陰謀』を発表しています。

その後、原作を藤本ひとみや五木寛之から請け負った『ブルボンの封印』や『ソフィアの歌』なども漫画化しました。2001年には、宋家三姉妹を主人公にした連載『月光の帝国』も手がけましたが、残念ながら雑誌の廃刊で未完に終わりました。2006年には、「夢幻館」で読み切りや連載作品を掲載しつつ、現在も新作を執筆していると伝えられています。

主な作品

• - 『電脳旅行記』
• - 『夢の揺籃』
• - 『月光の帝国』

出版された著書

• - 『青色廃園 森川久美傑作集』（1977年）
• - 『チェリッシュ・ギャラリー 森川久美自選複製原画集』（1979年）
• - 『シメール』全2巻（1979年）
• - 『南京路に花吹雪』全4巻（1982年-1983年）
• - 『法王庁の陰謀』（1988年）
• - 『森川久美全集』（角川書店）など

森川久美は、作品を通じて歴史への深い理解と共感を呼ぶことに成功しており、彼女の漫画は読者に強い印象を与え続けています。

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