森川陽一郎

森川 陽一郎（もりかわ よういちろう）は、1979年8月14日に福井県丹生郡清水町（現在の福井市）で生まれた日本の映像作家、映画監督、そして書家である。書家としては、山内改行（やまうち かいぎょう）という名義を用いている。

初期活動と自主映画

森川氏は、高校に在学中の1997年9月10日、自主的な映画制作を開始した。その後、2000年9月14日には、地元である福井県で「福井インディーズ映画祭」を立ち上げ、その運営を担った。「応募された作品は全て上映する」という方針を掲げたこの映画祭は、2003年7月19日に行われた第5回開催を最後に終了するまでの3年間で、延べ252本の作品を上映する実績を残した。これらの自主的な活動が評価され、2003年11月1日には東京国際映画祭へ正式に招待されるに至った。

映画監督としてのデビュー

映画監督として、森川氏は自身の監督作品である『福井青春物語』で劇場公開デビューを果たした。この作品は2005年5月1日に福井市の響のホールで初上映され、同年10月22日には東京・渋谷のアップリンクXでも公開された。これにより、当時26歳だった森川氏は商業劇場での監督としての第一歩を踏み出した。

逮捕とその影響

監督として活動が注目され始めた時期に、森川氏は大きな出来事に直面する。2006年4月26日、福井県内の県立高校に通う女子生徒（当時17歳）に対し、性的行為を行ったとして、児童買春の疑いで逮捕された。前年に劇場デビューを飾っていたこともあり、この逮捕はテレビや新聞など、全国的なメディアで大きく報じられた。インターネット上の匿名掲示板などでは、森川氏が過去に公開していたウェブ日記の内容が話題となり、事件の背景に美人局（つつもたせ）があったのではないかという憶測が飛び交った。

この逮捕の影響は即座に現れた。福井北の庄劇場のオープンが延期されたほか、同日から予定されていた森川氏の新作映画の公開が中止となった。さらに、同年5月に計画されていた鯖江、新潟、長岡での『福井青春物語』の劇場ロードショーも中止が決定した。

2006年5月16日、森川氏は児童買春・ポルノ禁止法違反の罪で正式に起訴された。福井地方裁判所で行われた裁判では、6月23日の初公判で起訴内容を全面的に認め、7月7日には検察側による論告と求刑が行われた。そして、7月14日の判決公判において、森川氏には懲役一年六月、執行猶予三年の有罪判決が下され、身柄を釈放された。

この事件を受けて、森川氏が所属していたFREDERIC-HANDSも同年7月19日に解散している。

書道家としての活動

有罪判決を受け、映画監督としての表立った活動が困難になった森川氏は、新たな表現の場として書道を選んだ。2008年6月からは、「山内改行」という別の名義を使用し、自作の書道作品を旅行用のキャリーバッグにぶら下げて日本各地を巡る、ユニークなスタイルの「全国ツアー」を開始するなど、書道家としての活動を展開している。

主な作品

監督作品
『福井青春物語』（2005年） - 劇場公開

出演作品
『福井青春革命』（2005年） - 劇場公開（監督：小野寺昭憲）

関連情報

森川陽一郎氏および山内改行氏に関連する情報については、かつて公開されていたウェブサイトのアーカイブや、書道家としての活動を伝えるソーシャルメディアアカウントなどが参照可能である。また、氏の出身地である福井県に関する項目として、福井弁などがある。

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