森巣博

森巣 博について

森巣 博（もりす ひろし）、本名鈴木博は、1948年に生まれた日本の作家であり、ギャンブラーとしても知られています。彼の作品は、特にカジノでの独特なギャンブル体験や人間観察から生まれ、多くの小説やエッセイを執筆しています。彼の作品は、ギャンブルというテーマを深く掘り下げ、読者に新たな視点を提供しています。

来歴

石川県金沢市に生まれた森巣は、1966年に都立豊多摩高校を卒業。その後、漫画雑誌の編集者や記者としてのキャリアを積む中で、1971年にヒッピーへの憧れを持ちながら競輪で得た資金を元にアメリカへ渡りました。彼は1973年に帰国し、1975年にはイギリス人の妻と結婚し英国に移住。主夫として子育てに専念しつつ、カジノで生活費を稼ぐ日々を送りました。

その後、博士号を取得した妻の仕事に伴いオーストラリアに移住。現在、オーストラリアを拠点に執筆活動を行っています。森巣はギャンブルの中でも特に牌九やバカラを中心にプレイしており、1994年度全豪牌九選手権者の実績を持っています。彼の妻はオーストラリア国立大学の名誉教授、テッサ・モリス＝スズキですが、森巣自身がその関係を公式に認めたことはありません。

作風

彼の小説では、ギャンブルに関連するテーマが主軸となっており、特にバカラや牌九を扱っています。作品の中には彼自身をモデルにした登場人物「ヒロシ」が登場し、様々なギャンブルの場面が描かれています。ギャンブルシーンは心理戦や緊張感あふれる描写が特徴で、他の作品とは一線を画しています。ヒロシは強気なギャンブラーとして描かれていますが、常勝ではなく時には大敗することもあり、その人間味が読者の共感を呼び起こします。また、彼の作品にはヒロシの豊かな恋愛模様も描かれ、セックスシーンも数多く盛り込まれています。

最近のエンターテインメントでは、テーブルゲームにおけるイカサマが描かれることが多いですが、森巣の作品ではそうした要素はなく、知力や戦略のぶつかり合いがしっかりと描かれています。これは彼の作品の魅力の一つです。

著書

森巣の著作には、以下のような作品があります。

• - 『博奕の人間学』
• - 『無境界の人』
• - 『無境界家族（ファミリー）』
• - 『神はダイスを遊ばない』
• - 『ジゴクラク』
• - 『越境者たち―カシノ そこで、夢見る。祈る。』
• - 『セクスペリエンス』
• - 『非国民』
• - 『悪刑事』
• - 『蜂起』
• - 『極楽カシノ-怪人モリスばくち旅』
• - 『二度と戻らぬ』
• - 『越境者的ニッポン』
• - 『賭けるゆえに我あり』
• - 『日本を滅ぼす〈世間の良識〉』など、数多くの作品を執筆しています。彼の著作は、ギャンブルの世界だけでなく、深い人間洞察にあふれた内容として多くの読者に親しまれています。

森巣 博の独自の視点と深い分析力は、彼の作品を一層魅力的なものにしています。彼の書くギャンブルの世界はただの賭けごとではなく、人生そのものを映し出す鏡とも言えるでしょう。

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