森村幸子

森村 幸子

1972年（昭和47年）1月28日に生を受けた森村幸子（もりむら さちこ）は、日本の体操界で活躍した選手です。

群馬県伊勢崎市（旧境町）出身の森村氏は、地元の境町立釆女小学校（現在の伊勢崎市立境釆女小学校）から境町立北中学校（現在の伊勢崎市立境北中学校）へと進みました。中学校卒業後は、体操競技の名門である日本女子体育大学附属二階堂高等学校に入学し、さらなる技術向上を目指しました。

高校時代、森村氏の体操選手としての才能は大きく花開き、日本のトップレベルで競う存在となりました。そして、その努力が実を結び、国際的な舞台へと挑む機会を得ます。1988年に韓国のソウルで開催された第24回夏季オリンピック競技大会に、森村幸子氏は体操競技の日本代表として出場を果たしました。オリンピックという最高峰の舞台での経験は、彼女の選手キャリアにおける重要な一里塚となりました。

将来を嘱望される選手であった森村氏ですが、高校3年生になった際に、彼女のキャリアに大きな転機が訪れます。卒業後の進路として、森村氏は早稲田大学人間科学部への進学を強く希望し、特別選抜入試での合格を目指して準備を進めていました。

しかし、この進路選択において、森村氏は思いがけない壁に直面します。早稲田大学が定めていた特別選抜の出願条件の一つに、高校1年次および2年次の成績評価が平均3.5以上であるという基準がありました。森村氏が所属していた高校側が、この成績基準に関する大学からの情報を誤って解釈していたことが判明したのです。高校側は、本来対象外である3年次の成績を含めて計算してしまい、その結果、森村氏の1・2年次のみの成績では、大学の求める基準に満たないことが明らかになったのです。

高校側の事務的な誤りにより、森村幸子氏は、自身が長年目標としてきた早稲田大学人間科学部の特別選抜入試に出願する機会を失うことになりました。長年にわたり体操競技に心血を注ぎ、オリンピックにまで出場した彼女にとって、この出来事による失望感は計り知れないものでした。自身の努力や競技成績とは別の要因によって、希望する進路を閉ざされてしまったという事実は、森村氏から競技を続ける意欲を完全に奪い去りました。

この結果、森村幸子氏は、まだ選手として活躍できる可能性を秘めていたにもかかわらず、体操競技の現役から退くことを決断しました。

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