森林セラピー基地

森林セラピー：科学に基づいた癒しの空間

近年注目されている「森林セラピー」は、単なる森林浴とは異なります。2005年に林野庁が発表した「森林セラピー基地構想」を基に、2006年から本格的な取り組みが始まりました。これは、アロマセラピーになぞらえ、科学的エビデンスに基づいた予防医学的効果を目指す、新しい森林活用方法です。

「森林セラピー基地」とは、癒しの効果が科学的に評価され、認定を受けた森林や遊歩道を持つ地域のこと。特定非営利活動法人森林セラピーソサエティが認定を行い、現在では全国に57ヶ所もの基地が存在しています（2014年4月時点）。これらの基地では、森林浴を通して得られる心身へのプラス効果を、科学的な根拠に基づいて提供しています。

森林セラピーの効果

森林セラピーでは、森林環境がもたらす多様な効果が期待されています。具体的には、以下の様な効果が挙げられます。

ストレス軽減: 森林の香りや自然の音、緑豊かな景色は、心身のリラックスをもたらし、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制する効果が期待されています。現代社会におけるストレス社会において、その効果は非常に重要です。
血圧・心拍数の低下: 森林浴は自律神経のバランスを整え、血圧や心拍数を低下させる効果があると報告されています。日々の生活で蓄積された緊張を解きほぐし、心身を落ち着かせます。
免疫力向上: 森林には、フィトンチッドと呼ばれる植物が発する揮発性物質が含まれています。フィトンチッドには、免疫細胞の活性化や抗菌作用があることが研究で示唆されており、免疫力向上に役立つ可能性があります。
精神的なリフレッシュ: 森林の静寂や自然の営みは、心を穏やかにし、精神的なリフレッシュをもたらします。日常の喧騒から離れ、自然の中で過ごすことで、新たな活力を取り戻すことができます。

森林セラピー基地の広がり

森林セラピー基地は、北海道から九州・沖縄まで、全国各地に広がっています。それぞれの基地は、地域独特の自然環境を生かし、多様なプログラムを提供しています。例えば、森林散策、ヨガ、瞑想、自然観察など、様々なアクティビティを通して、森林セラピーの効果を体験することができます。

基地の所在地は、北海道エリア、東北エリア、関東エリア、中部エリア、近畿エリア、中国・四国エリア、九州・沖縄エリアと、広範囲に渡り展開されています。それぞれのエリアには、それぞれの地域の特徴を活かした森林セラピー基地が存在しており、多様なニーズに対応できるようになっています。

まとめ

森林セラピーは、科学的根拠に基づいた、新しい健康増進の方法です。全国各地に広がる森林セラピー基地は、現代社会における健康維持・増進に大きく貢献しています。自然の中で心身を癒やし、健康的な生活を送りたいと考えている人々にとって、森林セラピーは魅力的な選択肢と言えるでしょう。今後、さらに多くの地域で森林セラピー基地が認定され、より多くの人がその恩恵を受けることを期待します。

もう一度検索