森田俊男

森田俊男の生涯と業績

森田俊男（もりたとしお、1921年6月25日 - 2010年8月29日）は、日本の教育研究者であり、特に平和教育の分野で重要な役割を果たした人物です。彼は平和・国際教育研究会の代表を務め、戦後日本における平和教育の先駆者として知られています。さらに、元国民教育研究所所長としても活動しました。

来歴

森田俊男は1921年に台湾の台北市で生まれました。父親は農林省に勤務する獣医であり、転勤の影響で九州や中国地方で育ちました。1939年に大分県に住むようになると、東京外国語学校の独逸語・文科部法科に入学。1942年には学校を短縮卒業し、同盟通信社に就職しました。しかし、その後召集され、陸軍第147連隊に配属されました。1945年には伊豆諸島の新島で従軍中に日本の敗戦を経験しました。

戦争終了後は東京大学大学院への進学を目指すも、試験に失敗。その後、大分市内の旧制工業学校の教員として教育現場に戻ります。1947年に日本教職員組合（日教組）が発足し、大分県教組に加入しました。

1953年には、『山村と教育』を執筆し、教育研究者の中で高く評価されます。1957年には日教組の国民教育研究所に入り、1960年に所長に就任。その後、沖縄問題についての研究を始め、平和教育や地域教育に関するさまざまな論文や著作を発表しました。

1971年からは和光大学で非常勤講師を務め、講義を通じて沖縄問題に関する問題提起を行いました。1972年の日教組全国教育研究集会では、平和教育の分科会を設置し、この概念を広める契機を作りました。1974年には日本平和教育研究協議会を設立し、自らその運営を主導しました。1975年には、教育論集である『森田俊男教育論集』を4巻にわたって刊行しました。

1986年には「平和教育研究・森田塾」を立ち上げ、多くの教育者や研究者が集う交流の場を提供しました。1991年には全日本教職員組合（全教）が結成される中で、「民主教育研究所」を設立し、所長を務めました。

1993年には「森田塾」を「平和・国際教育研究会」に改名し、韓国の教育界との交流も積極的に行いました。2010年、89歳で心臓疾患により他界しました。

主な著書

森田俊男の影響力は多くの著作にも表れています。彼の主な著書としては、次のようなものがあります。

• - 『漁村の教育』（1956年）
• - 『国民教育の課題』（1969年）
• - 『平和・軍縮のための教育』（1983年）
• - 『高校生の平和ハンドブック』（1986年）
• - 『平和・国際教育論』（1993年）
• - 『平和・人権・民主主義の教育を　-私の人生89年に重ねて』（2010年）

これらの著作を通じて、彼は平和教育の重要性を広め、人権や民主主義に屈指した教育の在り方を問い続けました。

結論

森田俊男の足跡は、平和教育や国際教育の分野で今なお光を放っています。彼の生涯を通じて、多くの人々に教えを与え、次世代への架け橋となったことは間違いありません。

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