森秀昭

プロフィール

森 秀昭（もり ひであき）氏は、1972年10月16日に長崎県諫早市で生まれました。現役時代は主にディフェンダーとしてJリーグの舞台で活躍し、引退後は指導者としてサッカー界に貢献を続けています。現在はFCバイエルン・ツネイシのU-13カテゴリーでコーチを務めています。

選手としての軌跡

鎮西学院高等学校を卒業後、1991年にマツダSCへ加入。同期には森山佳郎、柳本啓成といった後の日本代表選手らがいましたが、森氏はトップチームでの公式戦出場機会には恵まれず、主にサテライトチームであるマツダSC東洋でプレーしました。

Jリーグ発足に伴い、サンフレッチェ広島とプロ契約を締結。1995年には当時の監督であったビム・ヤンセン氏に才能を見出され、レギュラーポジションを獲得しました。しかし、翌1996年は怪我の影響でシーズンを通して出場がありませんでした。同年シーズン途中にアビスパ福岡へと移籍すると、すぐにレギュラーに定着。守備の要として活躍し、1998年にはJ1参入決定戦にも出場し、チームを勝利に導く得点も挙げています。

2000年にはコンサドーレ札幌へ期限付き移籍し、翌年には完全移籍を果たしました。札幌では名塚善寛氏や大森健作氏らとともに、非常に組織化された堅固な守備ラインを形成し、「精密機械」と称されるほど安定したディフェンスを構築しました。しかし、2002年シーズンは再び怪我に悩まされ、ほとんど出場機会を得られない苦しい一年となりました。シーズン最終節、延長戦という土壇場でようやくピッチに立ちますが、本職のDFではなくフォワードとしての起用でした。しかし、その直後に見事なクロスを上げ、曽田雄志氏のVゴールをアシスト。低迷したチームのシーズンを劇的な勝利で締めくくる立役者となりました。

J2降格後の2003年も札幌に残留しましたが、度重なる怪我の影響は大きく、出場機会は激減。この年限りで現役生活にピリオドを打ちました。

記憶に残るエピソード

現役時代には、怪我との闘いが続きました。特に半月板の負傷には苦しみ、2002年のオフに発行された『月刊コンサドーレ』の増刊号では、ファンに向けたメッセージの色紙に「半月板ください」とユーモラスに書いたことが知られています。

また、札幌在籍時には、難病と闘う兄を励ますために、ゴールを決めた際に「おんちゃん頑張れ」（九州弁で「兄さん」の意）と書かれたTシャツをユニフォームの下に見せていたという心温まるエピソードがあります。その年、天皇杯でゴールを決めた際にTシャツを見せた際には、「おんちゃんありがとう」とメッセージが変わっており、家族への深い愛情がうかがえました。

2006年には、コンサドーレ札幌の10周年記念サンクスマッチに出場し、多くのファンに健在な姿を見せました。

指導者への道

現役引退後は、サンフレッチェ広島時代のチームスタッフとの縁もあり、西南フットボールクラブでコーチとして指導者のキャリアをスタートさせました。2006年から2007年にかけては大分トリニータの下部組織でコーチを務め、若手選手の育成に尽力しました。2008年には、大分県佐伯市にある日本文理大学附属高等学校サッカー部の監督として、高校生を指導しました。

2009年からは、サンフレッチェ広島の提携スクールであったサンフレッチェ常石でU-13カテゴリーのコーチを担当。この提携先が2012年にバイエルン・ミュンヘンへと変わったことに伴い、現在はFCバイエルン・ツネイシのU-13担当コーチとして、引き続き将来を担う子どもたちの育成に情熱を注いでいます。

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