椎間板

椎間板（ついかんばん）とは

椎間板は、脊椎を構成する椎骨と椎骨の間にある円形の線維軟骨組織です。医学的には椎間円板（ついかんえんばん）とも呼ばれます。椎間板は、脊椎にかかる衝撃を吸収するクッションのような役割を果たし、椎骨の微妙な動きを可能にする軟骨関節としての機能も持ち合わせています。

椎間板の構造

椎間板は、内側の髄核（ずいかく）と、その周囲を囲む線維輪（せんいりん）という二つの部分から構成されています。

髄核: 髄核は、ゼラチン状の物質で、椎間板の中央部に位置しています。主に水分で構成されており、椎間板にかかる圧力を均等に分散させる役割を担っています。これにより、脊椎への衝撃を効果的に吸収することが可能になります。
線維輪: 線維輪は、コラーゲンを豊富に含む線維性の組織で、髄核を何層にも取り囲んでいます。線維輪は、同心円状に重なった構造をしており、強力な環状の繊維が均等に圧力を分散することで、椎間板全体の強度を高めています。

これらの構造が連携することで、椎間板は日々の身体活動における衝撃を吸収し、脊椎を保護する重要な役割を果たしています。

椎間板の数

人間の脊椎には、合計23個の椎間板が存在します。具体的には、頚椎の間に6個、胸椎の間に12個、腰椎の間に5個の椎間板があります。

椎間板に関連する疾患

加齢に伴い、椎間板の髄核から水分が失われ、弾力性が低下します。また、線維輪も徐々に弱くなるため、椎間板が本来の位置から逸脱しやすくなります。これにより、以下のような疾患が引き起こされる可能性があります。

椎間板ヘルニア: 椎間板ヘルニアは、椎間板の一部が正常な位置から飛び出し、神経を圧迫することで、痛みや痺れを引き起こす疾患です。特に、腰椎椎間板ヘルニアは、坐骨神経痛の原因となることがあります。
腰部脊柱管狭窄症: 椎間板の変性や骨の変形などにより、脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで、腰痛や下肢の痺れ、歩行困難などを引き起こす疾患です。

椎間板の健康を保つために

椎間板の健康を維持するためには、以下のような点に注意することが重要です。

正しい姿勢を保つ: 長時間同じ姿勢を続ける場合は、適度に休憩を取り、ストレッチなどで体を動かすようにしましょう。
適度な運動を行う: ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、脊椎の周りの筋肉を強化し、椎間板への負担を軽減する効果があります。
適切な体重を維持する: 過体重は、椎間板への負担を増加させるため、バランスの取れた食事と適度な運動で、適切な体重を維持することが重要です。

関連項目

坐骨神経痛
椎間板ヘルニア
脊柱
* 腰部脊柱管狭窄症

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