検察官適格審査会

検察官適格審査会について

検察官適格審査会（けんさつかんてきかくしんさかい）は日本の法務省内に設置された重要な審議機関です。この審査会は、検察庁法第23条に基づいて運営されており、主な役割として検察官の適格性を審査し、その結果を法務大臣に通知することがあります。従って、検察官が職務に適合しているかどうかをチェックする体制が整っています。

機能と運営

この審査会は、3年ごとの定期的な審査だけでなく、法務大臣や審査会自体の職権による随時審査も実施します。一般市民も検察官に対して適切な審査を申し立てることができます。

審査対象となる検察官及びその直属の上司は会議に出席し、意見を述べることが求められます。また、検察官が不適格と見なされる場合には、適切な期間を設けた上で理由を通知し、弁解や証拠提出の機会も与えられます。このようにして、審査プロセスは透明性を持たせるように配慮されています。

不適格議決の影響

検察官が心身の状況や職務能力の不足などの理由で職務を遂行できないと認定された際には、審査会はその旨の結論を出し、法務大臣に報告します。高位の検察官については、審査会の不適格議決を経て罷免が可能であり、特に検事や副検事に関しては、法務大臣が免職する必要があるとされます。さらに、免職となった場合、3年間は弁護士として活動できないという制約も設けられています。

この審査会は、GHQの提案を受けて日本政府が設置したもので、検察の監視機構として機能することを目的としていますが、実際には機能の不十分さが指摘されています。多くの場合、審査にかけられる前に検察官自らが辞職するか、懲戒免職となるため、実際の罷免記録は非常に限られています。これまでに罷免された検察官の記録は少なく、1992年に広島県で発生した事件がこれに該当するのみです。

2010年には、大阪地検特捜部の主任検事による証拠改竄事件を受けて、初の随時審査が行われましたが、2013年には不適格とは認められないとの議決が下されました。

構成と委員

検察官適格審査会は、政治家や法律業界の専門家によって構成されます。具体的には、衆議院議員4人、参議院議員2人、最高裁判所判事、日本弁護士連合会会長、日本学士院会員、学識経験者2人の計11名がそのメンバーです。委員は法務大臣によって任命され、任期は2年で再任が可能です。

委員に加えて、予備委員も任命されており、特に日弁連会長に対応する予備委員は日弁連副会長の中から選ばれます。このようにして、多様な視点が審査プロセスに持ち込まれることが意図されています。

まとめ

検察官適格審査会は日本の法律制度において重要な役割を果たしており、検察官の適格性を守るためのメカニズムが用意されています。現行の審査会に対する批判も存在しますが、その意義を評価しつつ、適切な監視機能を維持することが求められます。

もう一度検索