楠見孝

楠見 孝 - 認知心理学者の軌跡

楠見孝（くすみ たかし）は、1959年に神奈川県で生まれた日本の認知心理学者です。現在、京都大学教育学部の教授を務め、教育認知心理学の分野で多大な業績をあげています。また、彼は京都大学大学院教育学研究科の教育認知心理学講座の教授でもあり、学術界での影響力は非常に大きいです。

人物と経歴

楠見は1978年に学習院高等科を卒業後、1982年に学習院大学文学部心理学科を卒業しました。彼は当初、文学と心理学のどちらを選ぶか悩んでいたものの、4年次に藪内稔教授のゼミナールで出会った「Metaphor and Thought」という題材によって、比喩研究への関心を深めました。この経験が、彼の学術的な道を大きく方向付けることになりました。

その後、1987年には学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻に進学し、博士課程に入学しましたが、単位取得中退の後、文学修士号を取得し、心理学に関する博士号も取得しています。

教育者としても活躍し、学習院大学で助手、筑波大学社会工学系で講師、東京工業大学工学部では助教授としてキャリアを積んでいきました。その後、京都大学大学院教育学研究科に移り、教育認知心理学講座の助教授として2008年に教授に昇進しました。また、2014年には日本学術会議の連携会員に選ばれ、2020年には京都大学大学院教育学研究科長と教育学部長に就任しました。これまでの彼の業績は、日本心理学会優秀論文賞など多くの受賞歴で評価されています。

主な著書

楠見が執筆した著書の一つに『比喩の処理過程と意味構造』があり、1995年に風間書房から出版されました。この著作は、彼の研究テーマである比喩に焦点を当て、比喩がどのように処理され、意味が形成されるのかについて、学術的な視点から詳細に探求しています。

楠見の研究は、認知心理学の発展に寄与しており、特に比喩という複雑な言語現象の理解に新たな視点を提供しています。彼の業績は、学問だけでなく、教育や心理学全般にわたり広く応用されていることから、多くの学生や研究者に影響を与え続けています。今後の彼の研究成果にも期待が寄せられています。

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