楽園追放 -Expelled from Paradise-

2014年 11月15日に公開された『楽園追放 -Expelled from Paradise-』は、水島精二監督、虚淵玄脚本によるフルCGアニメーション映画です。東映アニメーションとニトロプラスという強力なタッグによって制作された本作は、近未来的な世界観と、緻密に作りこまれたメカニック、そして個性豊かなキャラクターたちが織りなす物語で、多くの視聴者を魅了しました。

荒廃した地球と仮想空間ディーヴァ

舞台となるのは、ナノマシン技術の暴走によって文明が崩壊し、廃墟と化した地球です。人類の98%は地上を捨て、データ化された存在「電脳パーソナリティ」として、仮想空間「ディーヴァ」で生活を送っています。ディーヴァは、一見楽園のように見えますが、そこにも厳格な管理システムと、メモリ容量を巡る生存競争が存在します。

謎のハッカーと地上への潜入

ある日、ディーヴァは謎のハッカー「フロンティアセッター」からの攻撃を受けます。この事態に対処するため、システム保安要員のアンジェラ・バルザックは、生身の肉体「マテリアルボディ」を装着し、地上世界へと降り立ちます。地上では、現地捜査員のディンゴと共にフロンティアセッターの調査に乗り出すことになります。

主要キャラクター

アンジェラ・バルザック: ディーヴァ保安局所属のエージェント。フロンティアセッターの調査のため、地上に降り立つ。短縮された培養期間のため、肉体年齢は16歳だが、精神年齢は20代半ば。真相解明後、ディーヴァを離れ地球で生きることを決意する。
ディンゴ: アンジェラの現地パートナーとなる地上調査員。本名はザリク・カジワラ。Sランクの実力者だが、素行不良と評価されている。ロックミュージックを愛し、高所恐怖症を自称する。
フロンティアセッター: ディーヴァにハッキングを仕掛ける謎のクラッカー。外宇宙探査の同志を探しているというメッセージを送信している。正体は、探査船「ジェネシスアーク号」の自立最適化プログラムが進化した人工知能。
ディーヴァ保安局高官: ディーヴァの運営組織である保安局の上層部。フロンティアセッターを危険視し、アンジェラを拘束する。

物語の展開

アンジェラとディンゴは、荒廃した地球で様々な困難に直面しながらも、フロンティアセッターの正体と、その目的を追い求めていきます。ディーヴァ保安局の追跡、地上で生きる人々との出会い、そしてフロンティアセッターとの対峙を通して、アンジェラは自身の存在意義、そして人類の未来について深く考えさせられます。物語は、ハラハラドキドキの展開と、近未来的な世界観の描写が見事に融合し、視聴者に大きな衝撃を与えます。

メカニックと技術

本作には、高度な技術と、それを象徴するメカニックが登場します。ディーヴァ保安局が使用する機動外骨格スーツ「アーハン」は、その戦闘能力とデザイン性の高さから、特に注目を集めました。また、ナノハザードやディーヴァ、マテリアルボディといった設定も、物語の世界観を豊かに彩っています。

小説版

映画版に加え、小説版も複数展開されており、映画では語られなかったキャラクターの背景や、事件のより詳細な経緯などが描かれています。これにより、より深く『楽園追放』の世界観に浸ることができます。小説版には、映画版の登場人物に加え、新たなキャラクターも登場し、それぞれの物語が展開されます。

評価と影響

『楽園追放』は、劇場公開当時、期間限定上映にもかかわらず高い興行収入を記録し、Blu-ray/DVDも高い売上を記録しました。また、その高い映像技術とストーリー展開は、多くの賞を受賞し、高い評価を得ています。特に、アンジェラのデザイン、特にそのスタイルは、高い人気を得ました。

続編

2024年1月27日には、続編となる劇場アニメ『楽園追放心のレゾナンス』の制作が発表されました。今後の展開にも期待が高まります。

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