榛野なな恵

榛野なな恵：少女漫画界のベテラン漫画家

榛野なな恵（はるの ななえ）氏は、福島県出身の漫画家です。1月24日生まれ、血液型はB型。法政大学文学部哲学科を卒業しています。

1978年、集英社『月刊セブンティーン』1979年1月号に掲載された「キューピッド・ベイビー」で漫画家デビューを果たしました。その後も『月刊セブンティーン』で活動し、1987年からは『ヤングユー』（いずれも集英社）に移籍して作品を発表しています。

代表作『Papa told me』とその影響

榛野氏の代表作といえば、なんといっても『Papa told me』です。この作品で、1989年には第35回小学館漫画賞を受賞しました。その人気は高く、1995年にはドラマCD化、2003年にはNHK教育テレビのドラマ愛の詩シリーズで「パパ トールド ミー 大切な君へ」としてテレビドラマ化もされています。ドラマ版には、豊田眞唯さん、風間トオルさん、華原朋美さんなどが出演し話題を呼びました。現在も『Cocohana』にて連載が続けられています。

多彩な作品世界

榛野氏は『Papa told me』以外にも数多くの作品を発表しています。『月刊セブンティーン』掲載の「ハイジが来た日」や『キューピッド・ベイビー』、『今宵あなたのみる夢は』、『ビッグキッドブルース』シリーズ、『グリーンロマンス』など、初期の作品群は少女漫画誌の定番的な題材を扱いつつも、榛野氏独特の繊細な描写と感性が光ります。『ヤングユー』に移籍後も、『ピーチパイ・デイズ』、『あした、船にのって』、『今年はじめての雪の日』など、多くの作品を生み出しています。

また、アガサ・クリスティ原作の『チムニーズ館の秘密』の漫画化など、幅広いジャンルにも挑戦しています。『Papa told me』シリーズは、単行本化だけでなく、『Papa told me: season selection』、『Papa told me 完全版』といった選集や、雑誌掲載分のまとめなども多数出版されており、その人気と奥深さがうかがえます。『Papa told me』の長期連載を支える、その魅力は、繊細な人物描写、心温まるストーリー、そして読者の共感を呼ぶ普遍的なテーマにあると言えるでしょう。

作品リスト

榛野なな恵氏の作品リストは非常に長く、その数多くの作品は、少女漫画の歴史において重要な位置を占めています。以下に、主な作品を年代順に列挙します。

「ハイジが来た日」（1979年 - 1981年、『月刊セブンティーン』）
『キューピッド・ベイビー』（1980年）
『今宵あなたのみる夢は』（1982年）
『ビッグキッドブルース』シリーズ（1983年 - ）
『グリーンロマンス』（1985年）
『あした、船にのって』（1986年）
『ピーチパイ・デイズ』（1987年）
『Papa told me』（1987年 - 2004年、連載中）
『今年はじめての雪の日』（1991年）
『卒業式―榛野なな恵作品集』（1994年）
『Papa told me: season selection』（1996年）
『ピエタ』（2000年）
『Papa told me 完全版』（2001年）
「パンテオン」（2000年代）
『ダブルハウス』（2000年代）
『チムニーズ館の秘密』（2006年）
『Papa told me: 街を歩けば』（2008年）
『Papa told me: 私の好きな惑星』（2009年）
『Papa told me: カフェで道草』（2010年）
『Papa told me: 窓に灯りのともる頃』（2011年）
『Papa told me: cocohana ver1 丘は花でいっぱい』（2012年）
『Papa told me: cocohana ver2 雲のテラスで』（2013年）
『Papa told me: cocohana ver3 薔薇色の休日』（2014年）
『Papa told me: cocohana ver4 小さな愛の歌』（2016年）
『Papa told me: cocohana ver5 いつも旅行中』（2017年）
『Papa told me: cocohana ver6 星へ続く階段』（2018年）
『Papa told me: cocohana ver7 王女様の中庭』（2019年）
『Papa told me: cocohana ver8 あの日のローズティー』（2020年）
『Papa told me: cocohana ver9 花冠をあげる』（2021年）
『Papa told me: cocohana ver10 となりの妖精』（2022年）
『Papa told me: cocohana ver11 ビスケット時間』（2023年）
『Papa told me: cocohana ver12 私たちの王国』（2024年）

（上記は主要作品の一部です。詳細な情報は各出版社のサイトをご確認ください。）

榛野なな恵氏の作品は、長年にわたって多くの読者から愛され続けています。その魅力は、時代を超えて共感できる普遍的なテーマと、繊細で温かい筆致にあります。今後も彼女からの新たな作品に期待が高まります。

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