樋口あゆ子

樋口 あゆ子

樋口 あゆ子（ひぐち あゆこ、本名：小久保あゆ子、1970年8月9日 - ）は、日本のクラシック音楽ピアニスト。兵庫県芦屋市の出身で、その音楽人生は幼少期に始まった。

幼少期から学業

5歳でピアノに触れ始め、その後、日本を代表するピアニストの一人である中村紘子に師事し、本格的な音楽教育を受ける。神戸海星女子学院マリア幼稚園を卒業後、小林聖心女子学院小学校・中学校に進学。9歳の時にはすでに頭角を現し、関西フィルハーモニー管弦楽団との共演を果たした。

中学校を卒業後、音楽の専門教育を受けるべく桐朋女子高等学校（共学）音楽科ピアノ専攻へ進む。さらに桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻で学び、同大学研究科を修了。高度な技術と深い音楽性を磨いた。

学業を終えた後も研鑽を続け、明治安田生命文化財団の奨学生として渡仏。パリのエコールノルマル音楽院演奏家課程に入学し、審査員満場一致という優秀な成績で卒業。国際的な舞台で活躍するための土台を築いた。

主な受賞歴

数々の権威あるコンクールで優れた成績を収めており、その実力は国内外で高く評価されている。

第39回 毎日新聞社主催 全日本学生音楽コンクール：ピアノ部門中学生の部 全国大会で第1位。
第17回 全日本ピアノ指導者協会（ピティナ）主催 ピティナ・ピアノコンペティション：特級グランプリおよび文部科学大臣賞を受賞。
第10回 ポルトガル・ポルト市国際音楽コンクール：第1位大賞を獲得。

これらの受賞は、彼女の才能と努力が結実したものであり、ピアニストとしての地位を確固たるものとした。

多様な活動分野

演奏活動に加え、教育、国際交流、メディアなど、幅広い分野でクラシック音楽の普及と発展に貢献している。

日本ベトナムピアノフェステイバルでは、総音楽監督と実行委員長を務め、両国間の文化交流を音楽を通じて推進している。
横浜エフエム放送にて、2011年7月よりラジオ番組『Piano Winery〜響きのクラシック』のパーソナリティを務め、クラシック音楽の魅力を分かりやすく伝えている。
昭和音楽大学、短期大学、大学院ではピアノ専攻の非常勤講師として、次世代の音楽家育成に尽力している。
一般社団法人全日本ピアノ指導者協会の評議員、およびピティナ渋谷松濤ステーションの代表として、ピアノ指導者の資質向上や地域における音楽教育の振興にも積極的に関わっている。

ディスコグラフィー

これまでに日本コロムビア/DENONレーベルより、複数のアルバムを発表している。

『ショパン&リスト＋平和を願うオリジナル曲「ソウル・オブ・ザ・ピアノ』
* 『ラフマニノフ、ガーシュイン、ベトナム民謡』

これらのCDには、古典から近代、そして自身の創作や異文化のエッセンスを取り入れた作品まで、多様なレパートリーが収録されており、彼女の幅広い音楽性を知ることができる。

人物背景

樋口あゆ子の家族には、社会的に貢献した人物がいる。祖父の樋口市右衛門氏は、かつて兵庫県武庫郡鳴尾村（現在の西宮市の一部）の第11代村長を務めた人物である。父親の樋口博康氏は不動産会社の代表、母親は小池産業株式会社代表取締役会長だった小池實氏の長女である。二女一男の長女として育った。

1998年4月には一般人男性と結婚。この時、芥川賞作家の庄司薫と、師である中村紘子夫妻が媒酌人を務めたことは、文化界における彼女の交友関係の広さを示すエピソードである。2014年1月には第一子となる長女を出産し、音楽家としてだけでなく、母としても豊かな経験を重ねている。

ピアニストとしての確かな技術と深い表現力、そして教育者、文化交流推進者としての情熱を兼ね備える樋口あゆ子は、日本の音楽界において重要な存在であり続けている。その活動は、多くの人々にインスピレーションを与え、クラシック音楽の新たな魅力を伝え続けている。

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