樋口直宏

樋口直宏

人物概要

樋口直宏（ひぐち なおひろ）は、1965年11月9日生まれの日本の教育学者である。現在、筑波大学の人間総合科学研究科学校教育学専攻において教授を務めている。専門分野は教育方法学および教育工学であり、特に批判的思考の育成や授業の質的な分析といった研究テーマに注力している。

研究および教育活動

樋口教授は、教育実践における課題解決や学びの深化に資する研究に取り組んでいる。教育方法学の見地から、効果的な指導法や学習活動の設計原理を探求し、教育工学の知見を用いて、教育における技術活用の可能性や教育システムの最適化について考察を深めている。

主な研究テーマである「批判的思考」は、与えられた情報を鵜呑みにせず、論理的に評価・判断し、自らの考えを形成する能力であり、現代社会においてその重要性が増している。樋口教授は、学校教育の場で子どもたちがこの能力をどのように育むことができるか、そのための教育方法や環境づくりについて理論的・実践的な研究を行っている。

また、「授業分析」は、実際の授業を詳細に観察・記録し、その構造やダイナミクスを明らかにする研究手法である。これにより、どのような指導や学習活動が効果的であるかを客観的に評価し、教員の専門性向上や授業改善に繋げることを目指している。教育工学的なアプローチも取り入れ、データに基づいた授業研究を進めていると考えられる。

筑波大学では、こうした専門知識に基づき、未来の教育を担う人材の育成にも力を注いでいる。大学院生や学部生に対し、教育学の研究手法や理論、そして現代教育が直面する課題への向き合い方について指導を行っている。

経歴

樋口直宏は、1984年に千葉大学教育学部小学校教員養成課程を卒業し、教育者としての基礎を築いた。その後、同大学の教育学研究科学校教育専攻に進み、1988年に課程を修了した。さらに研究を深めるため、筑波大学大学院の教育学研究科学校教育学専攻へ進学し、1990年に所定の単位を取得して退学した。

研究者としてのキャリアは、1995年に筑波大学教育学系の準研究員（文部技官）としてスタートした。翌1996年には同大学の助手となり、教育・研究活動に携わった。

同年、立正大学文学部に専任講師として迎えられ、新たな環境で教育に携わることになった。立正大学では順調にキャリアを重ね、2000年には文学部助教授に昇任。その後、2002年には同大学心理学部へ配置換えとなり、心理学の視点も取り入れながら教育学の研究・教育を進めた。2007年には准教授に昇任している。

2009年、再び筑波大学へ籍を移し、大学院人間総合科学研究科の准教授に就任した。その後、組織改編を経て2011年には人間系准教授となり、2014年からは同大学人間系の教授として、現在に至るまで第一線で教育学の研究と教育活動を続けている。

主な業績

樋口教授は、教育方法学や教育基礎論に関する編著書を刊行している。

『実践に活かす教育課程論・教育方法論』学事出版、2002年
『実践に活かす教育基礎論・教職論』学事出版、2003年

これらの著作は、教育の現場で活用できる理論や知識を提供することを意図しており、教育関係者にとって有益な情報源となっている。

以上、樋口直宏の経歴と研究活動について記述した。

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