標準参照法

標準参照法（SRM）とは

標準参照法（SRM; Standard Reference Method）は、ビールや麦芽の色を数値で表すための単位です。ビールの色合いを客観的に評価するために用いられます。

SRM値の測定方法

SRM値は、分光測光法を用いて測定されます。具体的には、0.5インチのセルを通して測定された430ナノメートルの波長の吸光度の10倍として定義されます。430ナノメートルの波長は藍色の光に対応しており、ビールごとの色の違いが最も顕著に現れる波長です。

SRM導入の背景

SRMは、ロビボンド法では困難だった客観的な色の測定を実現するために、1950年に米国醸造化学者学会によって採用されました。SRM値とロビボンド値はほぼ等しく、ビールの色の強さを測定する際に互換性があります。

SRM値とEBC値の換算

SRM値は、ヨーロッパで用いられるEBC（European Brewery Convention）規格と換算することができます。換算式は以下の通りです。

EBC = SRM × 1.97
SRM = EBC × 0.508

大まかに言えば、EBC値はSRM値の約2倍です。

注意点

以前のEBCの色は、530ナノメートルでの吸光度に基づいており、SRMとの直接的な変換ができませんでした。古いEBC色の値とSRM値の間で変換を行うための変換式が文献に掲載されていることがありますが、不備があるため、現在の測定基準としては推奨されません。

まとめ

SRMは、ビールの色を客観的に評価するための重要な指標です。分光測光法を用いた正確な測定により、ビール業界における品質管理や製品開発に貢献しています。EBCとの換算も可能ですが、古いEBC値との変換には注意が必要です。

参考文献

Dictionary of Beer, Ed: A. Webb, ISBN 1-85249-158-2
Home Brewing, Graham Wheeler, ISBN 1-85249-137-X

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