標章の図形要素の国際分類を設定するウィーン協定

ウィーン協定について

ウィーン協定（Vienna Agreement Establishing an International Classification of the Figurative Elements of Marks）は、商標に含まれる図形要素を国際的に分類するための国際条約です。この協定は1973年にオーストリアのウィーンで作成され、1985年には改訂が行われました。現在、世界知的所有権機関（WIPO）がこの協定を管理しています。

協定の概要と発効

ウィーン協定は、1985年8月9日に発効され、現在28カ国が締約国として参加しています。これらの国々はウィーン同盟を形成し、協力して商標の図形要素に関する国際的な理解を深めています。協定に基づいて形成された国際分類は「ウィーン分類」と称され、商標に含まれる図形要素を形状や他の特徴に基づいて分類しています。

ウィーン分類の構成

ウィーン分類は、大分類、中分類、小分類の3階層から成る構造を持ち、全部で29の大分類、144の中分類、1,667の小分類から構成されています。商標の図形要素が具体的にどのように分類されるかは、これらの分類に依存しており、WIPO国際事務局や締約国の知的財産権庁での審査に広く利用されています。ウィーン分類は5年ごとに見直され、最新の第6版は2008年1月1日に施行されています。

日本におけるウィーン分類の採用

日本は残念ながらウィーン協定の締約国ではありません。しかし、2004年からウィーン分類の第5版を参考にしながら、より細かな分類を行う「細分化ウィーン分類」を導入しており、商標の図形要素をより詳細に捉えることができるようにしています。

他の国際分類との関係

ウィーン協定は、商標に関連する他の国際的な協定と合わせて理解することも重要です。例えば、商品やサービスを特定するためのニース協定や、特許に関連するストラスブール協定、意匠の分類を定めるロカルノ協定などがあります。これらの協定は商標や特許の登録に際し、それぞれ異なる側面からの分類を提供しています。

まとめ

ウィーン協定は、商標の図形要素の国際的な分類を定める重要な枠組みであり、商標審査や保護のための国際的な基準を提供しています。商標の形状やデザインに関する法律や政策を進める上で、この協定の理解と適用がますます重要となるでしょう。

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