横内浄水場

横内浄水場について

青森市横内地区に位置する横内浄水場は、青森市公営企業局水道部が管理する重要な浄水施設です。国道103号横内バイパスのすぐそばにあり、水源は清らかな横内川です。春には桜の名所としても知られ、地域住民に親しまれています。

概要

1909年（明治42年）12月に給水を開始したこの浄水場は、青森市の水道事業の初期を担いました。当時、1日に4,150m³の浄水能力でしたが、度重なる拡張工事を経て50,000m³まで増強されました。現在では、堤川浄水場と共に青森市内の水道施設の中核として機能し、市内5ヶ所の配水所を集中管理しています。青森市の全給水量の3～4割をこの浄水場で賄っており、その重要性は非常に高いです。

横内浄水場の水質は、硬度、蒸発残留物、水素イオン濃度、過マンガン酸カリウム、鉄分、pH、臭いなど、あらゆる面で優れており、その質の高さは広く知られています。1984年には、厚生省内の「おいしい水研究会」によって「日本一美味しい水道水」と評価されたこともあります。

水源地と浄水方法

横内浄水場の水源は、浄水場から南東約3kmの場所にある横内川です。浄水方法は、設立当初から変わらず緩速濾過方式を採用しています。この方式は、自然の浄化作用を利用するため、水質の安定には優れていますが、濁りが強い場合には取水が難しくなるという欠点があります。そのため、横内浄水場では濁度が20度を超えると取水を停止する措置をとっています。

浄水処理の過程では、まず沈殿池で原水中の濁質を自然沈降させ、その後、緩速濾過池で1日4～5mの速度で濾過します。最後に塩素消毒を行い、安全な水を供給しています。堤川浄水場では急速濾過方式を採用しており、横内浄水場とは異なる方法で浄水を行っています。

水源地保護と植林問題

青森市では、1992年から水道水源保護区域での植林事業を開始しました。2002年3月には「青森市横内川水道水源保護条例」を施行し、水源保護に力を入れています。しかし、当初は採草地やカヤ場で行っていたブナの植林が、自然林であるミズナラを伐採して行われていたことが2004年に発覚しました。この問題は、造林作業道の必要性や、「植樹は良いこと」という短絡的な考え方に対する疑問を提起し、有識者や市民の意見を聞く場が設けられました。この問題を通して、水源保護と環境保全の両立が課題として浮上しました。

沿革

1909年（明治42年）12月6日 - 給水開始
1968年（昭和43年）5月16日 - 十勝沖地震により施設が損壊
1978年（昭和53年）8月 - 現設備完成

交通

バス
JRバス東北「青森公立大学前行」桜峰バス停下車、徒歩8分
青森市営バス「横内環状線」横内バス停下車、徒歩22分、または「中筒井線」新町野バス停下車、徒歩20分

降雪期にはバスの運行に遅れが生じる場合や、下車後の移動が困難になる場合があるため、注意が必要です。

外部リンク

* 浄水施設／青森市

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