横山エンタツ

横山エンタツの生涯とその影響

横山エンタツ（本名：石田正見）は、1896年4月22日に兵庫県有馬郡三田町横山に生まれました。彼は大正から昭和にかけて活躍した漫才師であり、俳優としても知られています。彼は花菱アチャコとのコンビで漫才の新しい形、「しゃべくり漫才」を創り出し、その後の日本の漫才の発展に大きく寄与しました。

生い立ちと初期のキャリア

エンタツの家族は医師の家系であり、父親は軍医として日露戦争に従軍。終戦後、家族は姫路に移り住みました。エンタツは旧制兵庫県立伊丹中学校を中退し、「馬賊になる」と家出。彼は叔父のもとで朝鮮に渡り、さまざまな職業を経験しました。1914年に新派の「綾田五郎一座」に参加し、役者としての第一歩を踏み出します。その後、満州へ移り、さまざまな一座で活動しつつ「横山瓢」と名乗ったり、「横山太郎」と改名したりしました。

幕間漫才からの転機

1919年、花菱アチャコと共に一座を結成し、幕間に漫才を試演しましたが、初期には不評でした。しかし、1922年に本格的に漫才を始め、東京を拠点に活動。しかし、1923年には関東大震災の影響で大けがを負い、一時帰阪を余儀なくされました。

横山エンタツとしての活動

1928年頃から「横山エンタツ」を名乗り始め、1930年には吉本興業に入社します。彼は初めて背広を着用して舞台に立った漫才師となり、そのスタイルはサラリーマンの日常を描いたもので、大衆に大受けしました。彼のネタは主に東京大学野球からインスパイアされたもの。エンタツとアチャコのコンビは徐々に人気を得、漫才は落語と並ぶ地位を確立しました。

戦後の活動と後半生

戦後、エンタツはNHKのラジオ番組に出演し、再び人気を博しましたが、アチャコとの比較でその地位は変わっていきます。1953年、エンタツはアチャコとの漫才を披露し、その後多くの映画にも出演しました。1971年、彼は脳梗塞により亡くなり、74歳でこの世を去りました。

影響と一門

横山エンタツは多くの弟子を指導し、彼のスタイルは後の漫才師にも影響を与えました。直弟子には横山ノックや青芝フックなどがいます。彼の芸風やスタイルは現代の漫才にも色濃く残っており、エンタツの存在は漫才の歴史において欠かせないものとなっています。

横山エンタツの人生は、逆境を乗り越え、漫才師としての地位を築いた成功物語です。彼の影響は今なお続いており、多くの漫才師たちが彼のスタイルを受け継いでいます。

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