横山健一

横山 健一（よこやま けんいち）は、1985年10月31日生まれ、山形県出身の日本の元ラグビー選手であり、現在は指導者として拓殖大学ラグビー部でバックス（BK）コーチを務めています。

現役時代のポジションはセンター（CTB）で、身長180cm、体重80kgという体躯を生かしたプレーを持ち味としていました。ニックネームは「けん」としてチームメイトやファンに親しまれていました。

横山氏のラグビーキャリアは、地元の山形から始まりました。山形市立第一中学校では当初サッカー部に所属していましたが、中学3年生の時に友人の誘いを受けてラグビーの世界に足を踏み入れます。この転向が、後の彼の人生を大きく変えることになります。

高校は山形県立山形中央高等学校に進学し、ラグビー部に入部。才能を開花させ、3年生時にはチームの中心選手として全国高等学校ラグビーフットボール大会、通称「花園」の出場権を獲得し、全国の舞台を経験しました。

高校卒業後、横山氏は経済的な事情から大学へは進まず、地元で就職の道を選びます。しかし、ラグビーへの情熱を捨てきれず、社会人として働きながらクラブチームでプレーを続けました。一年後、彼は大きな決断をします。双子の弟である伸一氏も同じくラグビー選手であり、彼が進学していた拓殖大学に自身も入学し、再び弟と共にラグビーに取り組むことを選んだのです。兄弟揃って同じ大学でプレーすることは、彼らのラグビー人生において重要な要素となっていきます。

大学での活躍が認められ、2007年には兄弟揃ってラグビー7人制日本代表に選出されるという栄誉に浴しました。これは、兄弟で日本代表となった稀有な例として注目を集めました。

大学卒業後、横山氏はトップリーグに所属するリコーブラックラムズに加入します。ここでも、すでに弟の伸一氏が所属しており、プロの舞台でも兄弟はチームメイトとなりました。

その後も横山氏はチームを移籍しますが、その都度、弟の伸一氏も同じチームに移籍するという、非常に珍しいキャリアを歩みます。2014年には日本IBMビッグブルーへ、そして2016年には清水建設ブルーシャークスへと、兄弟揃って加入しました。これは、双子ならではの強い絆と、互いの存在がラグビーキャリアにおいてどれほど大きな影響を与え合っていたかを示すエピソードと言えるでしょう。

清水建設ブルーシャークスでは、チームの主力として活躍を続けましたが、2019年をもってチームを退団し、現役選手としての活動に区切りをつけました。

現役引退後、横山氏は自身の培ってきた経験と知識を後進に伝えるため、指導者の道へ進みます。現在は、かつて自身も選手として汗を流した母校、拓殖大学ラグビー部でバックスコーチとして、若い選手の育成に尽力しています。

横山健一氏のキャリアは、中学から始めたラグビーへの情熱、双子の弟との強い絆、そして学生、社会人、プロ、そして指導者へと形を変えながらラグビーに関わり続ける、多岐にわたる経験に彩られています。彼のラグビー人生は、これからラグビーを目指す若者にとって、大いなる刺激と目標となることでしょう。

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