横山智

横山智（よこやま さとし）

プロフィール

横山智（1966年 - ）は、日本の地理学者であり、名古屋大学大学院環境学研究科の教授を務めています。専門分野は人文地理学であり、特にラオスを中心とした東南アジアにおけるフィールドワークに基づいた農山村研究に力を入れています。また、発酵食品文化にも造詣が深く、著作も発表しています。

経歴

北海道岩見沢市で生まれた横山は、高等専門学校で電子工学を専攻しました。卒業後はオリンパス光学工業や日本鉱業で技術者として勤務していましたが、1992年から青年海外協力隊の一員としてラオスに2年間派遣されたことをきっかけに、地理学の道に進むことになります。帰国後の1997年には埼玉大学教養学部地理コースを卒業。その後、筑波大学大学院博士課程地球科学研究科地理学・水文学専攻を中退し、2003年に博士論文「A geographical study on the basis for existence of mountainous villages in northern Laos（ラオス北部山岳地域における村落の存立基盤に対する地理学的研究）」で筑波大学から博士（理学）を取得しました。

研究活動

横山の研究は、フィールドワークを重視した実証的なものが特徴です。ラオスをはじめとする東南アジアの農山村を対象に、人々の生活や文化、社会構造などを地理学的な視点から分析しています。また、発酵食品文化にも強い関心を持ち、特に納豆の起源に関する研究は高く評価されています。

受賞

著書『納豆の起源』(2014年・NHK出版)は、その学術的な貢献が認められ、『第5回(2015年) 地域研究コンソーシアム賞 研究作品賞』を受賞しました。

主な業績

単著

『納豆の起源』、NHK出版（NHKブックス）、2014年、ISBN 978-4-14-091223-2
『納豆の食文化誌』、農山漁村文化協会、2021年、ISBN 978-4-54-018117-7

共著

（落合雪野との共著）『ラオス農山村地域研究』、めこん、2008年
（荒木一視・松本淳との共編著）『モンスーンアジアのフードと風土』、明石書店、2012年
（玉本奈々との共著）『資源と生業の地理学』、海青社（ネイチャー・アンド・ソサエティ研究）、2013年

外部リンク

公式ウェブサイト
* Learning from the Fields - 個人サイト

まとめ

横山智は、技術者から地理学者へと転身した異色の経歴を持つ研究者です。その研究は、フィールドワークを重視した実証的なものであり、東南アジアの農山村や発酵食品文化に関する深い知識と理解に基づいています。特に納豆の起源に関する研究は、日本の食文化史に新たな視点をもたらしたと言えるでしょう。

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