横浜自然観察の森

神奈川県横浜市栄区に位置する「横浜自然観察の森」（英称：Yokohama Nature Sanctuary）は、自然を観察し、環境について学ぶための施設です。この記事では、この森に加え、隣接する横浜市の公共施設「上郷・森の家」についても解説します。

横浜自然観察の森は、自然保護教育の推進を目指し、環境庁（現在の環境省）が推進した「自然観察の森」整備事業の初めての計画の一つとして、1986年に開園しました。施設の整備にあたっては、神奈川県と環境庁からの助成を受けています。また、施設の運営は、多くのボランティアの方々の熱心な活動によって支えられています。

園内には、自然を観察するためのコースが4つ整備されています。これらは「ミズキの道」「コナラの道」「タンポポの道」「ウグイスの道」と名付けられており、それぞれのコースを歩くことで、四季折々の豊かな自然、特に昆虫、植物、野鳥などを観察することが楽しめます。

森の中央に位置する自然観察センターは、来園者が自然への理解を深めるための拠点です。ここでは、森に生息する動植物や地形など、園内の自然環境について解説するパネルが展示されています。さらに、自然に関する参考資料を自由に閲覧できるサービスも提供されており、より深く学びたい方に役立ちます。

自然観察センターの開館時間は、午前9時から午後4時30分までです。休館日は毎週月曜日ですが、月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日が休館となります。年末年始も休館期間となりますので、訪れる際は事前に確認してください。

上郷・森の家

横浜自然観察の森に隣接する「上郷・森の家」は、横浜市が運営する公共の宿泊施設です。「かみごうもりのいえ」と読みます。この施設は、かつて横浜市緑の協会によって管理・運営されていましたが、2018年12月31日をもってその役割を終えました。その後、施設全体のリニューアル改修工事が行われ、2019年9月1日からは指定管理者制度が導入され、上郷フォレストPFI株式会社が新たな管理・運営を担うことになりました。

上郷・森の家は、宿泊利用はもちろんのこと、日帰りでの利用も可能です。施設内には、ゆったりと疲れを癒せる大浴場や、食事を楽しむことができるレストランが完備されています。

本館には、これらの設備の他に、多目的に利用できる150人収容の大ホールや、「健康浴バーデ」と呼ばれる水着を着用して利用する温浴施設が設けられています。また、別館には、陶芸を体験できる工房、屋内で体を動かせる体育館、そして手軽にアウトドア気分を味わえるバーベキュー場があり、多様なレクリエーションに対応しています。

交通アクセス

横浜自然観察の森および上郷・森の家へのアクセス方法はいくつか用意されています。

バスでのアクセス: JR根岸線・横浜シーサイドラインの金沢八景駅、またはJR東海道線・横須賀線・根岸線の大船駅から神奈川中央交通のバスに乗車します。横浜自然観察の森へは「横浜霊園前」バス停で、上郷・森の家へは「森の家前」バス停でそれぞれ下車します。
車でのアクセス: 横浜横須賀道路を利用し、朝比奈インターチェンジで降ります。その後、公田方面へ進み、相武隧道の先右側が目的地です。施設には100台分の有料駐車場が完備されています。
* ハイキングコース: 港南台にある港南環境センターバス停付近や、鎌倉の天園方面から整備されたハイキングコースを利用して、自然の中を歩きながら訪れることも可能です。

横浜自然観察の森と上郷・森の家は、自然保護と環境学習、そして公共の宿泊・レジャー施設という異なる側面を持ちながらも、一体となって利用者に豊かな時間を提供しています。緑豊かな環境の中で、学び、遊び、そして心身をリフレッシュできる魅力的なエリアと言えるでしょう。

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