横網町公園

横網町公園について

横網町公園（よこあみちょうこうえん）は、東京都墨田区横網に位置する公園であり、東京都立の施設です。この公園は、関東大震災や東京大空襲の犠牲者を追悼する場所として知られています。ここには東京都慰霊堂や復興記念館が併設され、歴史的な背景を持ちつつ、今も多くの人々が訪れています。

歴史的背景

横網町公園の敷地は、かつて陸軍被服本廠が存在した場所でした。1922年にその本廠が北区赤羽台に移転した後、東京市がこの土地を取得し、公園として整備を始めました。しかし、公園の工事中の1923年9月1日、関東大震災が発生しました。この大地震は、昼食準備で火を使っていた時間帯に起こり、さらに北陸地方を襲った台風の影響や、下町の密集した住宅街が火災に脆弱であったことから、甚大な火災を引き起こしました。

当公園は多くの人々にとって避難所となり、約4万人がここに集まりましたが、16時頃には火災に包まれ、約3.8万人が犠牲になるという悲劇が起こりました。震災後、遺体はその場で火葬され、仮設の慰霊堂が設立されました。1930年に設計された納骨堂には、約5万8,000人の遺骨が収められ、以降も毎年慰霊の祭典が行われています。

とはいえ、悲劇は続き

1945年、第二次世界大戦の影響で、東京は再び大きな被害を受けました。特に、1945年3月10日の東京大空襲では、数多くの犠牲者が出ました。その遺体の一部も横網町公園を含むさまざまな場所に仮埋葬されました。戦後、身元不明の遺骨は、納骨堂を拡張し「震災記念堂」として合祀され、1951年に「東京都慰霊堂」と改称されました。

主な施設

公園内にはいくつかの重要な施設が存在します。まず、東京都慰霊堂は関東大震災と東京大空襲の追悼法要が行われる場所です。また、東京都復興記念館は当初の建物が現存し、避難者の記録や戦争資料が展示されます。

関東大震災の犠牲者を追悼する碑や、震災遭難児童のための彫像、東京空襲の犠牲者を称える碑など、多くの慰霊施設があります。これらの施設は、訪れる人々に惨劇の記憶を伝えるとともに、平和への願いを込めています。

アクセスと周辺情報

横網町公園へのアクセスは、総武線の両国駅から徒歩約10分、都営地下鉄大江戸線の両国駅からも約7分です。開園時間は常時開園されていますが、復興記念館は週の特定日に休館となっています。公園内は無料で入場でき、静かな時間を過ごすには最適な場所です。

近隣には、江戸東京博物館や両国国技館、旧安田庭園など見どころが点在しています。これらの施設とともに、横網町公園は、東京の震災の歴史を知るための重要な地点となっています。

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