樫尾幸雄

樫尾幸雄：カシオ計算機を支えた兄弟の末弟

樫尾幸雄（かしお ゆきお）は、1930年生まれの実業家であり、カシオ計算機創業メンバー「樫尾四兄弟」の末弟として知られています。カシオ計算機において、主に生産面を統括し、大ヒット商品であるカシオミニの開発・生産に大きく貢献しました。

経歴

東京都出身の樫尾幸雄は、東京都立第四商業学校を経て、1949年に日本大学専門部機械科を卒業しました。1957年、兄弟と共にカシオ計算機を創業し、世界初の個人向け電卓であるカシオミニの生産に携わりました。また、デジタル腕時計G-SHOCKや、デジタルカメラQV-10の一般化にも関与し、カシオ計算機を世界的メーカーへと成長させる原動力となりました。

社内では、取締役、専務、常務、副社長、特別顧問を歴任し、その経営手腕を発揮しました。環境問題にも深く関心を寄せ、環境先進企業としてのカシオ計算機の取り組みを指揮するなど、多岐にわたる分野で貢献しました。その功績が認められ、科学技術庁長官賞「科学技術功労者」を受賞しています。

著書として「電卓四兄弟」があり、カシオ計算機創業時のエピソードや兄弟との絆について綴られています。また、2002年から2004年までビジネス機械・情報システム産業協会会長を務めるなど、業界の発展にも尽力しました。2016年には、読売新聞の企画「時代の証言者」で、樫尾四兄弟の歩みとカシオ計算機の歴史を語り、貴重な証言を残しています。

親族

カシオ計算機設立時の社長である樫尾茂は父であり、忠雄、俊雄、和雄は兄弟にあたります。また、2015年よりカシオ計算機社長を務める樫尾和宏、カシオ科学財団評議員長やカシオ計算機取締役専務執行役員を歴任した樫尾彰、カシオ科学振興財団理事長やカシオ計算機執行役員などを務めた樫尾隆司はおいにあたります。息子の樫尾哲雄はカシオテクノ取締役やカシオ科学財団評議員、カシオ計算機執行役員を歴任しました。

栄典

長年の功績が認められ、2005年4月には旭日小綬章を受章しました。

樫尾幸雄は、カシオ計算機の発展に大きく貢献しただけでなく、環境問題への取り組みや業界の発展にも尽力した、日本の経済界を代表する人物の一人です。

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