樹幹

樹幹は、樹木の地上部分において、枝や葉を除いた中心となる部分、いわゆる「幹」を指します。これは樹木を支え、水分や栄養分を運ぶ重要な役割を担っています。樹幹の形状や特性は、樹種や生育環境によって大きく異なります。

樹幹の形態

高木性の樹木において、樹幹の形態は樹種によって特徴が見られます。針葉樹の場合、多くの種が単一の幹（単幹）を持ちます。例外的に、一部の針葉樹では複数に分岐する幹を持つものも存在します。一方、広葉樹では、幹の下部は単幹であることが一般的ですが、上部に向かうにつれて複数の枝に分岐する傾向があります。

さらに、樹幹の形状は、その木が孤立して生育しているか、森林内で生育しているかによっても異なります。孤立木の場合、根元部分が太く、上部に向かうにつれて直径が細くなる傾向があります。この形状は「ウラゴケ」と呼ばれることもあります。対照的に、森林内で生育する樹木の場合、根元部分の直径は比較的細く、幹の上下での直径の差が小さい「完満」な形状を示すことが多いです。

完満度と形状比

樹幹の太さ、特にその「完満さ」は、樹木の安定性や強度を測る上で重要な要素です。この完満さを表す指標として「完満度」があります。完満度は、樹幹の形状を数値で表したもので、様々な方法で算出されます。その一つに「形状比」があります。形状比は、樹高を胸高直径で割った値で、この数値が大きいほど、樹木は風害や雪害に対して弱く、倒木しやすい傾向があります。つまり、形状比の値が高い木は、幹が細く、安定性が低いと判断できます。

材積について

樹木の木材としての量を表す際に使われる「材積」という言葉があります。材積は、立木（生きた状態の木）の木材量を計算する際に用いられます。材積を計算する際、枝や葉を含めた全体の体積を用いる場合と、樹幹部分だけの体積を用いる場合があります。したがって、材積を参考にする際は、どの部分の体積を表しているのかを考慮する必要があります。

樹幹は、樹木の成長や生存に不可欠な要素であり、その形態や特徴は、樹木の種類や生育環境によって様々です。樹幹の形状、太さ、完満度などを理解することで、樹木の特性をより深く理解することができます。

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