橋本和

橋本和：滋賀から世界へ羽ばたいたサイドバックの軌跡

橋本和（はしもとわたる）選手は、1986年、滋賀県長浜市で生まれました。幼少期からサッカーに親しみ、小学2年生で地元のクラブチームに入団。左利きでありながら、幼い頃から左足でボールを蹴る技術を磨いていきました。

中学校時代は、地元にサッカー部がなかったため、指導者によって設立されたジュニアユースチーム「バーニングブラッドFC」に所属。その才能は青森山田高校の目に留まり、特待生として入学を果たします。高校時代には、将来のプロサッカー選手となる同級生たちと共に切磋琢磨し、数々のタイトルを獲得。将来への大きな展望が開けました。

高校卒業後は、大阪体育大学へ進学。関西学生選抜としてデンソーチャレンジカップに出場するなど、大学サッカー界でも活躍を見せます。そして、2008年には総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントで優勝を経験。大学生活においても大きな成功を収めました。

2009年、橋本選手はJリーグの柏レイソルへ入団。プロとしてのキャリアをスタートさせます。公式戦初出場は同年11月。その後はJ2リーグで着実に経験を積み重ね、2010年にはチームのJ2優勝、J1復帰に大きく貢献しました。

2011年シーズンは、怪我の影響もあり、レギュラー争いに苦戦する時期もありました。しかし、シーズン中盤以降はレギュラーの座を奪還。そして迎えたJ1リーグ最終節、浦和レッズ戦。劇的なオーバーヘッドキック気味シュートでJリーグ初ゴールを決め、チームのJ1優勝を決める決勝点を挙げました。

この活躍により、2012年には日本代表候補に選出。しかし、怪我によりキャンプへの参加は叶いませんでした。それでも、リーグ戦では25試合に出場し、チームは天皇杯制覇を達成。輝かしいシーズンとなりました。

2013年は開幕前に怪我で離脱するアクシデントに見舞われますが、復帰後は持ち前の才能を発揮。左サイドバックや左ウイングバックとして、ほとんどの試合に出場しました。

2014年には、浦和レッドダイヤモンズへ完全移籍。しかし、思うような出場機会を得られず、2016年にヴィッセル神戸へ期限付き移籍。古巣である柏レイソル時代の監督であるネルシーニョ監督の下、再びレギュラーとして活躍。チームの2ndステージ上位進出に貢献しました。シーズン終了後には、神戸へ完全移籍しました。

2020年にはFC岐阜へ移籍。そして2022年11月、FC岐阜での契約満了に伴い、現役を引退しました。

引退後も、サッカー界に携わり続けたいという強い気持ちから、2024年4月にはFC岐阜サッカースクールのアシスタントコーチに就任。さらに同年4月27日にはFC岐阜SECONDに選手登録され、現役復帰を果たしました。

プライベートでは、2012年に元女子サッカー選手の大学時代の同級生と結婚。2014年には第一子が誕生するなど、充実した生活を送っています。

橋本選手は、体育の教員免許（中学校、高等学校）も取得。勝利時の飴配りや、飴が足りない時にはタオルを配るなど、ファンサービスにも熱心な人物として知られています。

数々のクラブチームを渡り歩き、幾多の困難を乗り越えてきた橋本和選手。その活躍は、多くのサッカーファンに感動と勇気を与え続けました。今後も指導者として、後進の育成に尽力していくことでしょう。彼のサッカー人生は、まさに「滋賀から世界へ羽ばたいたサイドバック」と呼ぶにふさわしい、ドラマチックな物語です。

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