橘湾火力発電所

橘湾火力発電所について

橘湾火力発電所（たちばなわんかりょくはつでんしょ）は、徳島県阿南市の橘町小勝に所在する電源開発（J-POWER）が運営する石炭火力発電所です。この発電所は、2000年の夏に運転を開始し、現在では国内でも有数の発電能力を誇る施設となっています。

概要

この発電所は、橘湾の小勝島西部に位置し、海から運ばれた石炭を利用して電力を生成しています。1号機は2000年7月に運転を始め、その後同年12月に2号機が稼働を開始しました。両機とも、出力が105万kWと規模が大きく、四国と中国地方においても最大の石炭火力発電所として知られています。これにより発電された電力の大部分は紀伊水道を介して関西電力へ送電され、その他の電力会社である四国電力、中国電力、九州電力にも配分されています。

特に、発電効率を高めるために採用された超々臨界圧ボイラーと蒸気タービンは、主蒸気温度が600℃、再熱蒸気温度が610℃、主蒸気圧力が25.0 MPaと高い性能を持っています。これにより熱効率は低位発熱量基準で45%となっており、効率的な発電が可能です。

石炭の輸送と供給

発電所では、海外から輸送された石炭を選別し、必要に応じて陸揚げが行われます。陸揚げ後は小型の石炭輸送船に積み替えられ、高砂火力発電所など他の発電所でも使用されます。このように、橘湾火力発電所は地域の発電ネットワークの重要な一部として、効率的に資源を活用しています。

また、四国電力との共同で設立したPR施設「Jパワー＆よんでんワンダーランド」では、発電所の役割や電力の重要性について学ぶことができます。こちらは地域住民や観光客に向けて、さまざまな情報を提供しています。

近隣の発電所との連携

橘湾火力発電所のすぐ隣には四国電力が運営する橘湾発電所があり、両発電所の敷地は一部を共有しています。また、入り江を挟んで向かい側には阿南発電所があり、これらの発電設備は相互に連携して運営されることで、地域全体の電力供給の安定性を高めています。

アクセス情報

橘湾火力発電所へのアクセスは、公共交通機関を利用する場合、徳島バスの阿南福井大原バス停から徒歩で約20分、JR牟岐線の阿波橘駅から車で約15分、阿波福井駅からタクシーで約10分の距離です。

この発電所はまた、電源開発（J-POWER）の主要な施設の一つであり、火力発電に関心を持つ方々にとって、訪れる価値のある場所となっています。発電所の役割や技術について知ることで、エネルギー問題の理解を深めることができるでしょう。

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