機甲界ガリアン 鉄の紋章

概要

『機甲界ガリアン 鉄の紋章』は、1986年にリリースされた日本のOVAで、オリジナルのアニメ『機甲界ガリアン』を基にした作品です。キャラクターや固有名詞は共通していますが、物語の展開や登場人物の描写は大きく異なり、事実上は別作品として楽しむことができます。特にキャラクターの立ち位置が変更されていることが目を引き、主人公マーダルはテレビシリーズから顔立ちが変わっており、彼の声もアズベス役の声優である小林修が担当しています。さらに、ジョルディとチュルルのキャラクターデザインや年齢設定も更新され、より魅力的なキャラクターたちが描かれています。

メカデザインにおいても大きな変更が見られ、本作のために再設計された機甲兵たちが登場します。テレビシリーズでメカデザインを手がけた大河原邦男から、出渕裕に変更され、特にメインとなるガリアンが新たに「鉄巨神」としてリフレインされています。また、戦闘シーンの音楽は抑えられ、テレビシリーズのスピード感から一転し、重厚感が重視された描写に生まれ変わりました。

あらすじ

物語の舞台は、群雄割拠の惑星アースト。偉大な武闘家マーダルは、地底から発掘した機甲兵を駆使して、惑星を統一しようと奮闘しています。反乱勢力の「鳥一族」との対決を翌日に控えた晩、マーダルと彼の幕僚たちは ominousな幻影を目撃します。それは、第1王子ハイ・シャルタットがマーダルを刺すという予言めいたものでした。

攻撃が成功した後、鳥一族に対する処遇を巡ってマーダルとハイとの間で不和が生じます。ハイは幻影にとらわれ、内心の葛藤が増していきます。城に戻った彼は、邪神兵の館に封印された機甲兵の影響を受け、自身の手でマーダルを殺めてしまいます。この時、彼は邪神兵という恐るべき存在に魅了され、自らの運命を変えてしまうのです。

一方、第2王子のジョルディと王女チュルルは邪神兵が引き起こす異変を察知し、館へと向かいます。彼らが到着した時、突然現れた光の柱が彼らを包み込むと、それは伝説の機甲兵「鉄巨神」として復活します。圧倒的な力とともに全ての機甲兵を打ち倒す鉄巨神に対し、邪神兵が立ち向かいますが、果敢に戦った結果、ジョルディはさらなる強さを引き出し、邪神兵にとどめを刺します。これにより、ハイの妄執は終熄を迎えます。そして、激しい雷雨の中、機甲兵たちは爆発を伴い、真っ赤な光の柱となって天へと消えていくのです。

登場人物

• - ジョルディ \- 彼はマーダルの養子でありながら、温和であり戦争を好まない特性を持っています。また、彼の外観には特に目立つ変化があり、髪の色が金髪から赤毛に変更されています。

• - ハイ・シャルタット \- 第1王子で、戦いを求める性格。マーダルとの関係が崩れていく過程で、邪神兵の導きによって彼を殺してしまいます。

• - チュルル \- マーダルの王女で、内心では優しいジョルディに恋心を抱いています。

• - マーダル \- 楽を追求する一方、養子たちを慈しむ彼の姿が描かれていますが、彼の運命には影が差します。

• - ヒルムカ \- 鳥一族の女性で、復讐を目指す彼女はマーダル殺害の瞬間を目撃します。

• - オデビ \- 鳥一族の長老で、自己犠牲を選ぶもその運命は悲劇的です。

登場メカ

• - 鉄巨神 \- 様々な機甲兵の攻撃を全て跳ね返し、ちょっとした動作で敵を圧倒します。

• - 邪神兵 \- 恐怖を感じさせる存在で、ハイを取り込み彼の運命を狂わせます。

• - 飛甲兵、重弩兵、重装兵、機甲猟兵 \- それぞれ異なる役割を持つ機甲兵が登場し、ストーリーを盛り上げます。

この作品は、深いテーマとキャラクターの成長を描いており、多くのアニメファンに愛されています。

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