櫛田一斗

櫛田 一斗

櫛田 一斗（くしだ かずと）氏は、1987年1月20日に京都府で生を受けた日本の元サッカー選手です。現役時代のポジションはミッドフィールダーでした。多様な国や地域でそのキャリアを積み重ね、2022年にスパイクを脱ぎました。

大学を卒業した後、櫛田氏は佐川印刷SCへと進み、社会人サッカーの舞台でプレーを始めます。しかし、競技活動と仕事の両立は容易ではなく、その限界を感じて2010年限りでチームを離れる決断を下します。この経験が、その後のキャリアを大きく変える転機となりました。

2011年、彼は活躍の場をタイ・プレミアリーグへと求め、名門チョンブリーFCに加入します。異国の地での新たな挑戦は実を結び、初年度からチームの中心選手として目覚ましいパフォーマンスを披露。その活躍は高く評価され、同シーズンのリーグベストイレブンに選出される栄誉に浴しました。さらに翌2012年には、リーグ年間ベストMFのタイトルを獲得するなど、タイのトップリーグにおいて確固たる地位を築き上げました。

タイでの成功を経て、櫛田氏はさらに高いレベルでのプレーを追求します。2013年のタイ・プレミアリーグ閉幕後、スペインのヘタフェやドイツのヘルタといった欧州のクラブで入団に向けたトライアルに挑む機会を得ましたが、残念ながら契約には至りませんでした。

キャリアを通じて順風満帆だったわけではありません。2014年シーズンの終盤、右脚の前十字靭帯を断裂するという重傷に見舞われます。懸命なリハビリを経て半年後にピッチへ復帰を果たしますが、再び同じ箇所を断裂するという不運に見舞われました。この度重なる怪我により、以前のような満足のいくプレーが困難になった時期もありました。

怪我の苦難を乗り越え、新たな環境でのプレーを求めて、櫛田氏は2017年から2年間オーストラリアへと渡ります。ここでも異文化の中でのサッカーを経験し、自身のキャリアに多様な彩りを加えました。

2019年、32歳となった櫛田氏は、日本のJリーグへの挑戦を決意し、いわてグルージャ盛岡に加入します。これが彼にとって初めてのJリーグでのプレーとなりました。しかし、J3リーグでの出場機会は5試合にとどまり、得点を挙げることはできませんでした。同年12月4日、クラブから契約満了による退団が発表されます。

翌2020年1月18日、かつて輝かしい成績を残した古巣、チョンブリーFCへの復帰が決定します。再びタイの地でプレーすることを選びましたが、同年12月のタイ・リーグ前期終了をもって契約が満了となり、再びチームを離れることとなりました。

その後、2021年8月25日には、ウガンダ・プレミアリーグに属するソルティーロ・ブライトスターズFCと契約を結びます。アフリカ大陸という、またしても新たな舞台での挑戦を選んだことは、彼の尽きることのない探求心を示すものでした。

そして、2022年5月21日に行われたリーグ最終戦を終え、自身のブログを通じて現役生活に終止符を打つことを表明しました。

櫛田一斗氏のキャリアは、タイでの頂点、度重なる怪我との闘い、そして日本、オーストラリア、ウガンダと世界各地を渡り歩いた波乱に富んだものでした。困難に立ち向かいながらも、常に新たな挑戦を続けたその軌跡は、多くの人々にインスピレーションを与えるでしょう。

所属クラブ歴

京都暁FC少年団
京都紫光SCジュニアユース
2002年 - 2004年 桂高校
2005年 - 2008年 京都産業大学
2009年 - 2010年 佐川印刷SC
2011年 - 2015年 チョンブリーFC
2015年 パーントーンFC (loan)
2015年 チャイナート・ホーンビルFC（loan）
2016年 チャイナート・ホーンビルFC
2017年 タプトFC
2018年 ウロンゴン・ユナイテッドFC
2019年 いわてグルージャ盛岡
2020年 チョンブリーFC
2021年 - 2022年 ソルティーロ・ブライトスターズFC

個人タイトル

2011年 - タイ・プレミアリーグ ベストイレブン
2012年 - タイ・プレミアリーグ 年間ベストMF

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