櫛田神社 (福岡市)

櫛田神社の紹介

櫛田神社（くしだじんじゃ）は、博多区上川端町に構える神社で、地元の人々から「お櫛田さん」と親しまれています。この神社は古くから博多の氏神であり、総鎮守としての役割を果たしてきました。正式には博多総鎮守櫛田神社（はかたそうちんじゅくしだじんじゃ）と呼ばれ、歴史深い地域の一部として位置しています。

概要

櫛田神社は神社の中でも特に重要な存在であり、毎年7月には博多祇園山笠、10月には博多おくんちといった地域の祭事が行われます。これらの祭りは、地域住民にとって欠かせない文化的なイベントです。5月の博多松囃子（博多どんたく）は厳密にはこの神社の行事ではありませんが、松囃子の一行は伝統的に櫛田神社から出発することが定められています。

祭神

当社に祀られている祭神は、大幡主大神（おおはたぬしのおおかみ）、天照皇大神（あまてらすおおみかみ）、素盞嗚大神（すさのおのかみ）という三神です。正殿には大幡主大神、左殿には天照皇大神、右殿には素盞嗚大神が祭られています。日本国内には他にも同名の神社がありますが、彼らは主祭神に櫛名田姫を持つため、櫛田神社では異なる神が主祭神となる点が特徴です。

歴史

櫛田神社の起源については、757年に松阪にあった櫛田神社から勧請したとされる伝承があります。この際、大幡主大神が天照大神に仕える一族の神であるため、一緒に天照皇大神も勧請されたと考えられています。また、941年には小野好古が藤原純友の乱を鎮めるために京都の八坂神社に祈願し、平定後に素盞嗚神が勧請されました。平安時代には、平清盛が博多の発展を奨励し、櫛田神社を重要視したという説も存在します。1587年には豊臣秀吉の手によって現在の社殿が建立され、1868年の神仏分離令以前は東長寺の管理下にありました。

その他の魅力

神社の周辺には、「櫛田の銀杏」と呼ばれる樹齢約1000年の銀杏の木があり、県の天然記念物にも指定されています。この銀杏は「博多祝い唄」でも取り上げられ、地域の文化に深く根付いています。また、境内では博多祇園山笠の飾り山が設置され、地域の多彩なイベントや祭りのシンボルとなっています。近年には唐津市から株分けされたボタンの木が境内に植樹されるなど、地域のさらなる発展と伝統の継承が図られています。

交通アクセス

櫛田神社へは福岡市地下鉄七隈線の櫛田神社前駅から徒歩1分という便利な立地にあるほか、空港線の祇園駅からも徒歩5分、さらに中洲川端駅からは徒歩8分程度で到達可能です。バス利用者向けには「キャナルシティ博多前」や「キャナルイーストビル前」のバス停が近隣にあり、アクセスが充実しています。

博多区の中心に位置する櫛田神社は、地域の歴史や伝統を感じるための重要なスポットとして、多くの人々に愛され続けています。

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