次郎長笠

次郎長笠

「次郎長笠」は、1971年2月5日にビクターからリリースされた橋幸夫の112枚目のシングルです。この楽曲は、作詞を藤田まさと、作曲を吉田正が手掛けており、橋と藤田にとっては初めてのコラボレーションとなります。

橋幸夫は音楽キャリアの中で、毎年数多くのシングルをリリースしていましたが、彼の長年の師である作詞家、佐伯孝夫の作品は徐々に減少していく時期でした。そのため、新たな作詞家との出会いが期待されていました。藤田まさとは戦前から戦後にかけて多くの股旅歌謡や時代歌謡を世に送り出した著名な作詞家であり、彼の手による歌詞は多くのヒットを生んできました。2年前の1969年、橋は「妻恋道中」という企画アルバムで藤田の戦前期の股旅歌謡をカバーしており、藤田はその際に「橋君に昔のヒット曲を歌ってもらいたいと考えていた」と語っています。

また、同じく藤田と吉田は、これまであまり接点がなかったものの、この時期に藤田が作詞、吉田が作曲した「傷だらけの人生」が大ヒットを記録したことで、この3人の初共演が実現することとなりました。橋が股旅のシングルに次郎長を題材にした楽曲を取り上げるのは、「俺ら次郎長」以来10年ぶりのことであり、ファンにとっても期待の持てるリリースでした。

編曲には寺岡真三が携わっており、彼はアルバム「妻恋道中」においても8曲の編曲を担当しており、本作でも橋と共に作品を作り上げています。「次郎長笠」は、1971年の第22回NHK紅白歌合戦でも披露され、多くの聴衆に感動を与えました。

シングルのB面には「次郎長旅姿」が収録されており、こちらも作詞が藤田まさと、作曲が吉田正、編曲が寺岡真三となっています。このように、両面ともに著名なクリエイターによる作品で構成されている点が特徴です。

収録曲

• - 次郎長笠

作詞：藤田まさと
作曲：吉田正
編曲：寺岡真三

• - 次郎長旅姿

作詞：藤田まさと
作曲：吉田正
編曲：寺岡真三

収録アルバム

• - 『颯爽!橋幸夫 股旅名曲集』＜COLEZO！＞復刻版（2005年3月9日） VICL-41192

「次郎長笠」は、橋幸夫の魅力あふれる歌声と藤田及び吉田の確かな筆力により、忘れがたい名曲として今日でも愛され続けています。

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