欽ちゃんのシネマジャック

欽ちゃんのシネマジャックについて

「欽ちゃんのシネマジャック」は、日本のコメディアン、萩本欽一が製作総指揮を務めたオムニバス形式の短編映画集です。1993年と1994年に東宝系で公開され、各回5本の短編映画が上映されました。特に、そのユニークな興行スタイルが話題となり、多くの観客を楽しませました。

新しい興行スタイル

当時、萩本欽一と東宝は新たな映画の楽しみ方を模索していました。その結果、「1本15分の短編映画を5本立て、1本につき300円で、見たい本数を自己申告制で払う」というシステムを導入することを決定しました。この試みは、映画の幅広い楽しみ方を提供するものであり、観客が気軽に楽しめる場を作ることを目的としていました。また、1993年にはこの作品がブルーリボン賞特別映画賞を受賞するなど、高く評価されましたが、興行的には厳しい結果となりました。

第一回作品の概要

1993年4月17日に公開された第1回「欽ちゃんのシネマジャック」では、5本の短編と3分間のおまけ「大激走」が上映されました。各作品は次の通りです。

• - 探偵〜ハーレム・ノクターン〜

監督：黒沢直輔、脚本：阿久悠、主演：橋爪功

• - ドリーム・ライダー

監督：ジェームス・ボーグル、出演：ハロルド・ホプキンス、ジェームス・ブランデル

• - 港

監督：萩本欽一、出演：渡哲也、田中美佐子

• - 生きる ある臨死

監督：山本晋也、出演：イッセー尾形

• - なんかヘン?

監督：萩本欽一、出演：萩本欽一

その他にも、「元禄女太陽伝」「ダライラマの母」「きっと、来るさ」「女とおんな」などもこの作品に参加しました。

第二回作品の概要

翌年の1994年9月23日には第2回が公開され、新たに6本の短編が上映されました。前回同様、萩本欽一が監督を務める作品が多く、その中には「やさしい嵐」「蛍の光」「なんかヘン? PART2」などが含まれていました。また、一般公募で選ばれた新人監督による1分間の短編映画も上映されるという斬新な試みが特徴でした。

ビデオ化と配信状況

この一連の作品は、ビデオ化される際に「ゲラゲラ編」「ドタバタ編」「ほのぼの編」「ドキドキ編」の4つに分けられて収録されました。しかし、「ドリーム・ライダー」や「ダライラマの母」など一部作品は収録されていません。また、ビデオは2021年現在DVD化されていないため、視聴には特別な手段が必要です。

結論

「欽ちゃんのシネマジャック」は、萩本欽一が提唱した新しい映画体験を提供する試みであり、そのユニークな構成や多様な監督が集結した作品群は、今なお日本の映画界における重要な位置を占めています。観客が手軽に楽しめる短編映画の楽しさを再確認させてくれる貴重な作品です。

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