歌え!一億

『歌え!一億』

『歌え!一億』は、1965年10月4日から同年12月27日までフジテレビ系列で放送された、フジテレビ制作の歌謡バラエティ番組です。この番組は、日本レイヨン（現在のユニチカ）が一社提供を行い、毎週月曜日の夜7時30分から8時までの30分間、視聴者に楽しいひとときを提供しました。

番組の概要

本番組の最大の特徴は、毎回、当時のキングレコードに所属する人気歌手たちが出演した点です。これにより、視聴者は最新のヒット曲を楽しむことができました。そしてこの番組の司会を務めたのは、著名な歌手である伊東ゆかりでした。彼女の明るいトークと司会ぶりによって、番組は常にエネルギーに満ちた内容となっていたのです。

また、ザ・ドリフターズという人気コメディグループがレギュラーとして出演していたことも、大きな魅力でした。『歌え!一億』は、フジテレビにおいて彼らの初のレギュラー番組であり、コミカルなパフォーマンスと歌が組み合わさることで、多彩なパフォーマンスが繰り広げられました。魅力的な歌手たちの歌とドリフの軽快なお笑い企画が融合したことで、視聴者は毎回楽しみにしていたことでしょう。

番組の内容

番組の内容は非常にバラエティに富んでいました。歌手による歌唱はもちろんのこと、視聴者が参加できるのど自慢企画や、ドリフによるお笑い企画、さらには芸能ゴシップを扱うコーナーなど、さまざまな要素が盛り込まれていました。このように、音楽だけでなくエンタメ全般を楽しめる構成にすることで、視聴者に高い人気を誇っていました。

しかし、視聴率がなかなか伸びず、結果として番組は厳しい状況に追い込まれることになります。スポンサーであった日本レイヨンと放送局のスタッフ、ドリフのメンバーが集まって行った会議において、実際に起きたエピソードが、番組の運命を決定づけることとなりました。その場で、高木ブーが大いびきをかきつつ居眠りしてしまい、これがスポンサーを激怒させる事態を引き起こしました。この一件は、番組が放送終了に追い込まれる引き金となったのです。

終焉とプロモーション

『歌え!一億』は1965年の10月3日付けのサンケイ新聞に、その宣伝広告が掲載されていました。この広告には、『勝ち抜きエレキ合戦』や『爆笑ダイヤモンドショー』（第1期）とともに本番組が紹介されており、「加藤英文（加藤茶の本名・前芸名）とドリフターズ」という文言も見受けられます。当時、加藤はドリフの中心的存在であったため、彼の名前が記載されることは当然のことでした。

このように、『歌え!一億』は短期間ではありましたが、当時の日本における音楽とコメディの融合を象徴する番組でした。多くの人々に愛されたこの番組の思い出は、今も尚色あせることはないでしょう。

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