歌のビッグステージ (NHK総合)

歌のビッグステージ（うたのビッグステージ）は、1980年4月8日から1981年3月31日にかけて、NHK総合テレビで毎週火曜日の20時から20時50分まで放送された音楽番組です。

番組概要

本番組は、それまで水曜あるいは木曜の20時台に放送されていた『花のステージ』の後継番組として開始されました。ジャンルとしては歌謡曲や演歌を中心に据え、NHKホールからの公開形式による歌謡ショーとして届けられました。前番組から受け継いだ歌謡番組の枠は、本番組のスタートとともに放送曜日が火曜日へと変更され、新たな時間帯でのスタートとなりました。

出演者

番組の司会は、当時NHKのアナウンサーであった松平定知氏が務めました。また、開始当初は作詞家の喜多条忠氏も司会陣に名を連ねていましたが、1980年9月30日の放送をもって交代となりました。番組のアシスタントは、女性アイドルグループであったザ・チェリーズが担当しました。

番組の構成

『歌のビッグステージ』は、主に二部構成で進行されました。

第1部：今週の歌謡レーダー

このパートでは、全国各地にある当時のNHK放送局54局（当時）から寄せられるデータをもとに集計された「全国人気曲ランキング」が紹介されました。これらのデータは、主に各局で放送されていた人気ラジオ番組『FMリクエストアワー』へのリクエスト集計結果が活用されたものです。ランキングに基づき、番組に招かれたゲスト歌手たちが、その時々のヒット曲を歌唱しました。また、全国各地で注目されている楽曲や音楽に関する情報などもこのコーナーで取り上げられました。

第2部：歌謡パレード

番組の後半は「歌謡パレード」と題され、ゲストとして登場した歌手たちが、自身の持ち歌や代表曲などを披露する時間となりました。さらに、このパートでは特定のゲスト歌手に焦点を当てる企画も盛り込まれていました。一人の歌手にスポットライトを当て、そのアーティストのキャリアを辿るように、デビュー曲やその歌手にとって大きな転機となった出世作などを紹介し、歌唱することで、より深くゲストの魅力を掘り下げる内容となっていました。

番組の意義と系譜

『歌のビッグステージ』は、約1年間の放送期間ではありましたが、当時の日本の歌謡界や演歌界の「今」を、公開形式というライブ感あふれるスタイルで伝える役割を果たしました。NHKにおける歌謡番組の長い歴史の中に位置づけられる番組であり、後の『歌謡コンサート』や現在の『うたコン』といった番組へと続く流れの一端を担っていたと言えるでしょう。全国からのリクエストデータに基づいたランキング紹介や、特定の歌手に焦点を当てる企画など、当時の音楽番組として多様な側面を持っていたことがうかがえます。

NHK放送史などの資料には、本番組に関する情報が収められており、当時の出演者や歌われた楽曲など、詳細な記録を見ることができます。

約一年の短い期間ながらも、当時の音楽シーンを反映し、多くの視聴者に親しまれた歌謡番組として記憶されています。

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