歌月十夜

『歌月十夜』概要

『歌月十夜』は、同人ゲーム『月姫』を基にTYPE-MOONが制作したファンディスクです。本作は2001年8月10日にコミックマーケット60でリリースされ、公式な続編として数か月後の時系列を背景に展開されます。作品のイメージカラーは「黄昏の黄金」であり、プレイヤーは『月姫』のサイドストーリーやキャラクターの新たな側面に触れることができます。名の通り、物語は主に三つのセクションに分かれており、その中にはシリアスなテーマとコミカルなエピソードが豊富に盛り込まれています。

物語の構成

本作は、メインシナリオである「Twilight Grass Moon, Fairy Tale Princess」（通称「黄昏草月」）、十種類のミニシナリオ「夢十夜」、そしてクリア後のおまけシナリオ「夏祭り」で構成されています。「黄昏草月」では、主人公・遠野志貴が一日を繰り返し、その時々で異なる選択肢を選ぶことで、物語が大きく変化する箱庭的な世界が描かれています。シリアスな風味がある本編とコメディ要素が融合し、プレイヤーに新たな体験を提供します。

「夢十夜」は、奈須きのこが執筆した7つのシナリオに加え、一般募集によって選ばれた3つのシナリオから構成されています。シナリオの一部を進めるには、事前に本編シナリオ内で特定の条件を満たす必要があり、選択肢が存在しないシナリオも多くあります。

一方、「夏祭り」は軽快で楽しい内容が中心となっており、シリアスな本作とは一線を画す雰囲気を持っています。ただし、ゲームの難易度が高く、進行上のフラグが自動で保存されるため、イベントの巻き戻しが難しい設計となっており、いったん見逃してしまったイベントは一から再挑戦する必要があります。

登場キャラクター

本作に登場するキャラクターの声優は他作品に由来していますが、本作自体にはボイスは収録されていません。『月姫』から登場するキャラクターについて少し解説します。

• - 遠野 志貴: 主人公であり、異なる現実に挟まれた若者。彼は日常生活で微妙な違和感を抱きながらも、それに気づかずにいる。
• - アルクェイド・ブリュンスタッド: メインヒロインであり、依然として三咲町に居住。コミカルな一面がありながらも物語の重要な役割を担っている。
• - シエル: 聖堂教会の一員として、土地の浄化に従事しているヒロイン。カレー好きのギャグ要素も交えたキャラクター。
• - 遠野 秋葉: 志貴の妹であり、屋敷内のシーンで多く登場するキャラクター。彼女の行動が物語に影響を与えることは少ないが、日常の象徴的存在として描かれている。

他にも多彩なキャラクターが登場し、それぞれが個性的なエピソードを持ち寄っています。

ゲームシステム

本作『歌月十夜』のシステム面では、プレイヤーが積極的な選択を行なうことで物語を導き、それが次の展開に影響を与える仕組みとなっています。シナリオによっては選択肢がなく、事前の準備や攻略が求められるシナリオもあるため、ゲームに対する根気や時間が要求されます。

また、ユーザー投稿による短編やゲストイラストレーターの作品も含まれており、多様な視点から楽しめる要素をふんだんに取り入れています。

結論

『歌月十夜』は、『月姫』の物語をさらに理解するための補完的な作品であると同時に、新たな楽しみ方を提供されています。本作を通して、キャラクターたちの新たな一面や未公開のエピソードに触れることで、より深い物語の理解と新たな楽しみを得ることができるでしょう。

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