正岡道一

正岡道一

正岡道一（まさおか みちかず、1937年5月2日 - ）は、日本の実業家であり、株式会社セシール（現：セシールコミュニケーションズ）の創業者として広く知られています。

生い立ちと経歴

正岡道一は、1937年（昭和12年）5月2日に愛媛県久万高原町で生まれました。近江高等学校を卒業後、自衛隊に入隊しましたが、後に除隊しました。その後、タイヤ販売会社に就職し、サラリーマンとしてのキャリアをスタートさせました。

1970年（昭和45年）、正岡は香川県高松市でアジア物産を創業し、通信販売事業に乗り出しました。当初は低価格の下着を中心としたカタログ通信販売を手掛け、徐々に事業を拡大していきました。当時としては画期的なビジネスモデルであり、多くの人々に支持されました。

その後、正岡は様々な職種に向けたカタログの製作・開発に携わり、一般家庭向けのカタログ作成にも注力しました。これらのカタログは、多様な商品を取り揃え、消費者のニーズに応えるものでした。アジア物産は後に「セシール」へと商号を変更し、正岡は代表取締役社長に就任しました。

セシールは、カタログ通販業界で確固たる地位を築き、正岡の手腕によって大きく成長しました。しかし、1992年（平成4年）には、商標権侵害の疑いでハヤシニットから訴訟を起こされるという困難にも直面しました。大阪高等裁判所での控訴審では、最終的に棄却という結果になりました。

さらに、バブル崩壊後の経済不況の影響を受け、セシールの経営も悪化しました。正岡は経営再建のため、希望退職者を募集するなど様々な対策を講じましたが、業績は回復しませんでした。そして、2003年（平成15年）7月、正岡は代表取締役社長を辞任しました。

社会貢献

正岡は、故郷である久万高原町への貢献にも尽力しました。久万高原町の名誉町民に選ばれたほか、こけしを寄贈するなど、地域振興に貢献しました。

人物

正岡道一は、通信販売という新しいビジネスモデルを確立し、セシールを一大企業に育て上げた功績で知られています。その経営手腕は高く評価される一方で、訴訟や不況など、様々な困難にも直面しました。しかし、故郷への貢献を忘れない姿勢は、多くの人々に感銘を与えました。

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