正本順三

正本 順三のプロフィールと業績

正本順三（まさもと じゅんぞう）は、1937年に兵庫県淡路市で生まれた著名な日本の高分子化学者です。彼は、エンジニアリングプラスチックの中でも特にポリアセタール樹脂の革新的な製造技術の開発によって、化学業界において大きな影響を与えました。

学歴とキャリア

正本氏は1961年、京都大学工学部の繊維化学科を卒業し、1963年には同大学大学院に進学し、修士課程を修了しました。その後、1969年に工学博士の学位を取得しました。1963年に旭化成工業株式会社（後の旭化成株式会社）に入社し、75年にはテナック開発室長に就任しました。88年にはポリマー開発研究所の部長を務め、後に特別主席研究員に昇格しました。

1996年に旭化成を退職した後、京都工芸繊維大学に客員教授として就任し、その後福井工業大学の教授を経て、2011年には北陸学園北陸食育フードカレッジの専任教授に就任しました。長年にわたり教育と研究に携わり、特に高分子化学の分野での教育に力を注いできました。

受賞歴

正本順三は、その業績が広く認められ、数々の賞を受賞しています。1971年には繊維学会厚木記念賞を受賞し、1988年には化学工学会技術賞を受賞しました。また、1989年には大河内記念会技術賞のほか、同年に化学工学会からも技術賞を受けています。1990年には市村賞（産業賞功績賞）や日本化学工業協会技術賞など、同年に多くの賞を受け取りました。

さらに、1991年には日本化学会化学技術賞や高分子学会賞を授与され、科学技術庁長官賞を受けるなど、その貢献は高く評価されています。2006年には紫綬褒章を受章し、2010年には高分子学会フェローとしても認められました。これらの受賞歴からも、正本氏が科学技術の発展に寄与してきたことが伺えます。

関連人物

正本氏の業績は他の多くの研究者や教授にも影響を与えています。特に桜田一郎や堀尾正雄、そしてノーベル賞受賞者の野依良治など、彼と関わりのあった著名な科学者たちがいます。また、山口信夫や吉野彰といった人物も、彼の研究成果にインスパイアを受けており、高分子化学の発展に貢献してきました。

最後に

正本順三は日本の高分子化学を代表する研究者の一人であり、その革新的なアプローチと技術開発は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。彼の業績は、学術界だけでなく産業界においても重要な役割を果たしており、未来の科学と技術の発展に貢献する人材を育成しています。

もう一度検索