武上幸之助

武上 幸之助（たけがみ こうのすけ）教授

武上幸之助教授は、国際資源メジャーおよび資源貿易政策を専門とする学者で、長年にわたり多国籍企業の研究に従事してきました。彼は東京外語大学を卒業後、石油化学および合成繊維の業界での実務経験を経て、早稲田大学大学院に進学し、商学と法学に関する博士課程を修了しました。

彼はまず東京国際大学商学部で教授や商学科長として教鞭を執り、その後拓殖大学商学部教授、大学院商学研究科の職務を兼任していました。彼の研究では、国際資源メジャーに関する重要な多国籍企業論や資源貿易政策に焦点を当てています。

研究分野と業績

武上教授は、スタンダードオイル、シェル、エクソン・モービル、ペトロチャイナといった国際的な企業についての研究を行い、特に石油資源に関する貿易政策について幅広い知見を有しています。彼は、国際貿易政策の重要性を認識し、日本独自の高付加価値化による国際競争力の強化を訴え続けてきました。具体的には、スイスのビジネスモデルの導入を提案し、貿易政策の方向性を示しています。

また、ロッシュ社やアデコ社、グレンコア社、リンツ社、ネスレー社、ロレックス社など、さまざまな企業の調査研究を行っており、商品金融や精密機器の産業に関する専門的な知識を持っています。

2015年には財務省東京税関にて、税関職員向けの研修講師としても活動し、実務と学問の橋渡しを行いました。

著書と研究論文

彼の著作は多岐にわたり、代表的なものには「国際経営戦略ー多国籍企業の市場行動ー」（2001年、学文社）や「多国籍企業と技術革新」（2002年、前野書店）、「国際商事取引」（2003年、前野書店）があります。こうした著作の中で、国際的な商取引やマーケティング戦略に関する理論を体系化しています。

さらに、彼の研究論文も多数発表されており、「東アジア市場における貿易構造と企業行動分析」や「日本のエネルギー資源貿易政策に関する考察」など、資源貿易に関する深い洞察を提供しています。

所属学会

武上教授は、日本ビジネス・コミュニケーション学会の理事を務めつつ、石油学会や資源エネルギー学会にも所属し、学術界における存在感を発揮しています。また、文科省の科研費を3回採択され、研究活動への取り組みが評価されています。

まとめ

残念ながら、彼は2023年春に在職中に肺がんにより急逝しましたが、その業績と研究は、国際資源メジャーおよび資源貿易政策の研究の発展に大いに貢献しています。彼の業績は今後ますます重要となる日本の国際競争力の強化に寄与するものであり、彼の功績は色あせることはありません。

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