武内竜次

武内竜次

武内竜次（たけうち りゅうじ、旧字体：武內 龍󠄂次󠄁、1903年5月1日 - 1999年9月6日）は、日本の外交官です。明治36年に中国の順天府（現在の北京市）で生まれ、激動の時代を外交官として駆け抜けました。そのキャリアは、外務事務次官、駐米大使といった要職を歴任し、戦後の日本の外交を大きく支えたことで知られています。

生い立ちと学歴

武内竜次は、1903年（明治36年）に清国順天府（現在の北京市）で誕生しました。その後、旧制高千穂中学校（第8回）を卒業し、旧制佐賀高等学校文科甲類を経て、東京大学法学部へと進みました。大学卒業後の1927年（昭和2年）には外交官試験に合格し、外交官としての道を歩み始めます。また、オックスフォード大学への留学経験もあり、国際的な視野を養いました。

外交官としてのキャリア

武内竜次は、外交官としてイギリス、上海、ドイツ、ソビエト連邦など、世界各地で勤務しました。外務省では政務局第三課長（ソ連課長）を務めるなど、要職を歴任。第二次世界大戦終結後には、終戦連絡中央事務局第二部長として、戦後処理にも携わりました。その後も、外務省参事官兼終戦連絡事務局第五部長、終戦連絡札幌事務局長（のち北海道連絡調整事務局長）、京都連絡調整事務局長と、重要なポストを歴任しました。

1949年（昭和24年）には、戦後新設された通商産業省（現在の経済産業省）の初代通商局長（通商監）に就任。この時期には、日本の経済復興に向けた政策に深く関わりました。また、吉田茂の外交を支え、1951年（昭和26年）には在ワシントン日本政府在外事務所所長、1952年（昭和27年）には在アメリカ大使館公使、同年9月には初の国際連合代表部公使となりました。これらの職務を通じて、国際社会における日本の地位向上に尽力しました。

その後も、欧米局長、ベルギー、西ドイツの大使などを歴任し、1960年（昭和35年）には外務次官に就任。1963年（昭和38年）にはアメリカ大使として赴任し、日米関係の強化に貢献しました。1967年（昭和42年）6月に帰朝し、同年9月に退官するまで、外交官としての重責を担い続けました。

退官後の活動と晩年

退官後は、日本航空株式会社顧問、日本ロシュ株式会社会長などを務めました。1973年（昭和48年）11月には、長年の功績が認められ、勲一等瑞宝賞を受賞しました。1999年（平成11年）9月6日、96歳でその生涯を閉じました。

栄典

勲一等瑞宝賞

参考文献

高千穂学園八十年編集委員会編『高千穂学園八十年史』（学校法人高千穂学園、1983年）

関連項目

高千穂大学
高千穂学園の人物一覧

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