武富敏彦

武富敏彦（たけとみ としひこ）

武富敏彦は、1884年（明治17年）12月13日に佐賀県佐賀市で生まれ、1964年（昭和39年）8月21日に生涯を閉じました。彼は、日本の外交官として、激動の時代に国際舞台で活躍しました。

生い立ちと学歴

旧制第一高等学校を経て、1910年（明治43年）に東京帝国大学法科大学政治科を卒業しました。同年、外交官及領事官試験に合格し、外交官としてのキャリアをスタートさせました。

外交官としてのキャリア

1911年（明治44年）にメキシコ公使館外交官補として初の海外赴任を経験しました。その後、メキシコ公使館三等書記官、フランス大使館三等書記官を歴任。外務書記官兼事務官・通商局第二課長、アメリカ合衆国大使館二等書記官、同一等書記官、サンフランシスコ総領事など、要職を歴任しました。

1927年（昭和2年）には外務省通商局長に就任し、その後、アメリカ大使館参事官となりました。1933年（昭和8年）には、駐オランダ公使に任命され、外交官としてのキャリアをさらに積み重ねました。

その後、駐トルコ大使に転任し、1940年（昭和15年）に退官するまで、外交の最前線で活躍しました。

戦後の活動

退官後、1953年（昭和28年）の第3回参議院議員通常選挙に、故郷の佐賀県から改進党公認で立候補しましたが、残念ながら落選しました。

親族

武富敏彦の父は、大蔵大臣、逓信大臣、衆議院議員、貴族院議員を歴任した武富時敏です。また、妻の父は常設国際司法裁判所所長、駐フランス大使、駐ベルギー大使を歴任した安達峰一郎です。長女の舅には矢吹省三がいます。名門の家系に生まれたことがわかります。

栄典

1940年（昭和15年）8月15日には、紀元二千六百年祝典記念章を授与されました。

まとめ

武富敏彦は、日本の外交官として、国際社会で重要な役割を果たしました。彼の外交官としてのキャリアは、メキシコ、フランス、アメリカ、オランダ、トルコと、多くの国々を渡り歩き、日本の外交史において重要な足跡を残しました。また、政治家としての活動も、彼の多面的な人物像を物語っています。彼の生涯は、激動の時代における日本の外交と政治の変遷を理解する上で、貴重な資料と言えるでしょう。

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