武蔵ヶ辻

金沢の要所、武蔵ヶ辻

武蔵ヶ辻（むさしがつじ）は、石川県金沢市に位置し、古くから交通と商業の要所として栄えてきた地域です。その歴史は深く、多くの人々が行き交い、様々な物語が生まれてきました。

武蔵ヶ辻の由来

武蔵ヶ辻という名前の由来には、いくつかの説が存在します。

加賀藩政時代に武蔵庄兵衛という町人が住んでいた説
矢師の武蔵が住んでいた説
武士の中川武蔵守の屋敷があった説

これらの説はどれも有力とは言えませんが、人名に由来するという点で共通しており、現在もこの通称が使われ続けています。

また、「辻」とは道路を表し、武蔵ヶ辻は金沢城下の三叉路を形成していました。この三叉路は、香林坊、宮腰（現在の金石）、橋場町へと繋がっており、交通の要衝としての役割を担ってきました。

1970年には住居表示制度が導入され、この通称名である「武蔵」が町名として正式に採用されました。

商業地としての発展

武蔵ヶ辻は、加賀藩政期から商人が多く店を構え、隣接する横安江町とともに賑わいを見せていました。1930年には、実業家・林屋亀次郎が建設したビルに三越金沢支店が開業し、その後は丸越として営業しました。これにより、武蔵ヶ辻は百貨店を核とした商業地として大きく発展を遂げました。

しかし、1960年代以降のモータリゼーションの発展に伴い、商業の中心は片町へと移り変わっていきます。香林坊も商業地として発展を続け、武蔵ヶ辻地区は商業地としての地位を維持するために、再開発事業を実施しました。1973年には、金沢名鉄丸越百貨店（現在の金沢エムザ）と金沢スカイホテルを核テナントとした金沢スカイビルが開業し、新たな賑わいを取り戻そうとしました。

近年では、ダイエー金沢店が閉店するなど、一時的に停滞傾向にありましたが、横安江町商店街の再整備や武蔵ヶ辻ビルの解体・商業複合ビルの建設、近江町市場の再開発などが進められ、再び活気を取り戻しつつあります。

武蔵ヶ辻の現在

武蔵ヶ辻は、現在では以下の町域を含んでいます。

住居表示制度導入地域

武蔵町
安江町
尾張町
彦三町

住居表示制度未導入地域

下堤町
青草町
上近江町
下近江町
十間町

これらの地域には、様々な商業施設や公共機関、事業所が集まっています。

主な施設

金沢エムザ（旧金沢丸越百貨店）
近江町市場
ル・キューブ金沢 かなざわはこまち
RESTY
金沢近江町郵便局
金沢市 近江町市民サービスセンター
ITビジネスプラザ武蔵

また、交通の便も良く、バス路線が充実しています。近江町市場の再開発に合わせてバス停が拡幅・バリアフリー化され、より利用しやすくなりました。北陸新幹線の開業に先立ち、バス停名称が「武蔵ヶ辻」から「武蔵ヶ辻・近江町市場」に変更されました。

周辺の商店街

武蔵ヶ辻周辺には、個性豊かな商店街が数多く存在します。

武蔵商店街：百貨店のめいてつ・エムザを中心に賑わう商店街。
近江町市場商店街：新鮮な食材が手に入る活気ある市場。
尾張町商店街：老舗の商店が軒を連ねる趣のある通り。
* 横安江町商店街（金澤表参道）：仏具店などが多く、コミュニティバスが通行する商店街。

これらの商店街は、それぞれ異なる魅力を持っており、武蔵ヶ辻を訪れる人々を楽しませています。

まとめ

武蔵ヶ辻は、歴史と伝統、そして現代的な商業が融合した魅力的な地域です。金沢を訪れる際には、ぜひ武蔵ヶ辻を散策し、その賑わいと活気を体感してみてください。

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