武蔵丘車両検修場

武蔵丘車両検修場：西武鉄道の車両を支える要

武蔵丘車両検修場は、埼玉県日高市に位置する西武鉄道の車両検査・修繕施設です。池袋線東飯能駅と高麗駅の間に位置する武蔵丘信号場から分岐する武蔵丘車両基地に併設されており、西武鉄道最大の車両検修施設として知られています。

概要

• - 所在地：埼玉県日高市台
• - 敷地面積：84,750m2
• - 建物面積：36,213m2
• - 整備能力：480両/年
• - 実施検査：重要部検査・全般検査
• - 定期検査担当車両：西武鉄道全車両

検修棟は、中央を東西に横切るトラバーサーによって南北に分けられ、北側には台車や車両を検修する設備、南側には車体や座席を検修する設備が配置されています。東端には検車線（ピット線/10両分）が設けられ、南側には出場線と入場線があります。管理棟には、会議室や食堂などがあります。

沿革

• - 2000年6月16日：開設。所沢車両工場から機能を移転。
• - 2000年12月22日：ISO 14001認証を取得。
• - 2001年3月16日：西武車両に業務移管。
• - 2002年6月1日：「西武・電車フェスタ 〜検修場まつり〜」を開催（以降毎年開催）。
• - 2004年9月：ISO 9001認証を取得。
• - 2010年4月：西武車両を西武鉄道に合併。
• - 2014年1月28日：メガソーラーの発電開始。

検査工程

入場した車両は、アントと呼ばれる車両移動機で建屋内へ移動され、編成を解かれて各部品ごとに検査・修繕が行われます。検査期間は車種や両数によって異なりますが、概ね半月〜1か月弱です。

特徴

• - 西武鉄道全車両の重要部検査・全般検査を実施。
• - 検査工程の標準化のため、6両以上の編成では一度の入場時に編成を半分に分け、一方を重要部検査、もう一方を全般検査として実施（20000系以降の車両は除く）。
• - 2012年度より、20000系以降の新系列車両においては重要部検査を車両基地で行う新重要部検査へ変更。
• - 山口線の車両はトラックで輸送。

改造工事

車両製作の技術を生かし、ワンマン運転対応や新型機器の取付などの改造工事も実施しています。過去には他社へ譲渡する車両の改造も行っていました。

主な改造例：

• - 4000系ワンマン運転対応化
• - 10000系リニューアル
• - 新101系ワンマン運転対応化
• - 9000系VVVF制御装置化
• - 譲渡車両の改造（上信電鉄500形、秩父鉄道6000系など）

一般公開

2002年から毎年1回、一般公開イベント「西武・電車フェスタ」が開催されています（2020年は中止）。車両展示、台車抜き作業の実演、乗務員室乗車体験、鉄道部品販売などが行われ、多くの鉄道ファンや家族連れで賑わいます。

イベントでは、トラバーサーがステージとなり、ライブショーや吹奏楽の演奏、鉄道部品のオークションなどが行われます。会場内は雨天時でもほぼ予定通り開催可能です。

アクセス

イベント当日は、検修場内直通の臨時列車や、飯能駅〜高麗駅間の臨時列車が運転されます。高麗駅からは徒歩での来場も可能です。また、西武バスによる飯能駅からの無料送迎バスも運行されます。

ISO活動

武蔵丘車両検修場は、周辺環境に配慮し、騒音対策や臭気・粉塵対策を講じています。2000年にはISO 14001認証を取得し、環境に優しい工場であることをPRしています。

武蔵丘車両検修場は、西武鉄道の車両を安全に運行するために重要な役割を果たしており、一般公開イベントを通じて地域社会との交流も深めています。

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